龍宮城 (歌舞伎町マフィア最新ファイル)
なぜ無理に無理を重ねて生きて行くのか?
薬物に走らざるを得ない人は、どうしてそういう生き方しかできないのか?
どうして体を売って生きて行く女の子がいるのか?
今まで、ヤクザ的な生き方をしている人を見たり聞いたりするたびに感じてきた謎が、この本を読んだことで、私の中で少し解け始めた気がする。
この本の中には、何人もの表情豊かな日中の男女が登場する。
中国人マフィアに入った日本人(!)も登場する。
一気に読み進むうち、共感と反感の両方を感じ、私は混乱の中にたたきこまれ涙ぐんだ。
そして、日中の男女たち一人一人が、その人固有の「物語」を生きていることを生々しく感じた。
いわゆる「中国マフィア」たちが、まるで自分の友達の友達に一人はいそうな身近な人物に思える。
だけど、彼らのやってることを私が見たら「極悪」なことだと思う。
とにかく、彼らは私たちと地続きのところでもがきながら生きている。
この本を読んだ感想として、なんで犯罪グループに入るのか?という問いに私が答えるとしたら、「仲間がほしいから」なんじゃないかと思う。
でもそれは、(いろいろありつつも)日本でぬくぬく生きてきた女子である私だからそう思うのかもしれない。
そんな私とこの本に登場する人たちの物語は大きくかけはなれている(いまもって消化不良気味)。
だけど、私と彼らに共通すること、それは自分の「物語」を必死に守りながら生きているということだ。←ちょっと元気になれます。
中国人マフィアとその彼女、それぞれの独白の章は必読です。
たぶん男の人向けの本だけど、女の子に読んでほしい本です!