葉でわかる樹木 625種の検索
「葉でわかる樹木」は、掲載されている全ての樹種について、葉の表と裏の写真が載っています。
葉の特徴(鋸歯の有無など)で検索することができ、まず大まかな特徴から写真を選び、さらに一枚一枚の葉の拡大写真と詳述へと絞り込んでいきます。
ほとんどの樹種はこれで判別できると思います。花や果実の季節の写真しかない図鑑よりも、ずっと役に立ちます。
検索したい葉が若い場合など、ややわかりにくいこともあります。
唯一、樹皮の写真がほとんどないため、高木以上の、葉が手に入れられない樹木を検索することはできないのが欠点です。
認知症と長寿社会 笑顔のままで (講談社現代新書)
信濃毎日は長野県の有力地方紙。その発行部数48万部の紙面で2010年1〜6月に掲載されたキャンペーン企画記事をまとめたという1冊で、認知症患者に寄り添ったうえでの「実名」報道、腕利きのアンカーがまとめたとおぼしき、緊張感に満ちた、無駄のない文体など、読み応え十分の内容だった。7部構成のテーマ分けが必ずしもうまくいっておらず、また県外で取材した記事の「必然性」がいま一つ伝わってこない気味があり、その分満点から☆を一つ減じたが、ともあれ、タイムリーで上質のルポルタージュになっていると思う。
同紙の一連の報道は10年度の日本新聞協会賞(編集)、JCJ賞、ファイザー医学記事大賞などを受賞しており、それら報道界などからの高い評価もむべなるかな、である。評者も同じ業界の末端の外れに棲息しているが、冷静・客観的な記述の合間に、情感のこもった、それでいて感情に流されていない観察・考察が頻出し、めったにないことながら、知らぬうちに涙腺を刺激された。誰でもいつしか年をとり、やがて多くが認知症を患う。全くもってひとごとではないということだ。