鮫肌男と桃尻女 [DVD]
かなり私見だが、80年代(バブル期)の映画は面白くない。気を吐いていたのが伊丹十三と相米慎二でとても面白いがあとは見るべき映画ないとさえ思う。
しかし、90年代日本映画が海外で評価を得ることになった「CURE・黒澤清」「HANA−BI・北野武」「うなぎ・今村昌平」のような大御所から「鬼畜大宴会・熊切和嘉」「狂わせたいの・石橋義正」等新人作家が海外で評価される、過去の日本映画黄金期(黒澤明・ 小津安二郎)の彷彿されるほど日本映画が面白かった。
そんな中で日本映画はダサいとのイメージを払拭したのが、この「鮫肌男と桃尻娘」だったような気がする。
小日向しえ 可愛すぎ・・・
真行寺君枝 美しい・・・
寺島進 カッコよすぎ・・・
我修院達也 オモロすぎ・・・
島田洋八 キッモ・・・
岸辺一徳 恐っ・・・
浅野忠信 この人、天才・・・
等々、
カッコよくて、可笑しくて、そしてポップでお洒落だった。
構成が、タランティーノ「パルプフィクション」に類似していて、上手いと感嘆する。
当時の海外映画「ランローララン」「ドーベルマン」等と比べても、なんら遜色がないどころか、むしろ上回っているとさえ思う。
「お金をください」と物語は始まり、アニメーションと音楽を絡めながら圧倒的なスピード感で繰り出される出演者の紹介、我修院達也と浅野忠信との掛け合い、小日向しえビーナスへの転身、バットエンディング、しかし、最後は浅野・寺島の最高の会話でハッピーエンドとして物語は終わる。
上手い、面白い、カッコイイ、たぶんそう多くの人が思っただろう。
今でもあのときのような、感動は得られるかはわからないが、海外の映画に頼らなくても十分日本人による映画でこんなにも面白いのだと感じれた作品である。
ドラゴンヘッド [DVD]
壊滅した社会(世界)を再現した映像がとても素晴らしく、
ハリウッド映画と比べても遜色を感じません。
それだけに私にとって非常に「惜しい作品」になりました。
原作のテーマ性を明確に解釈出来ているのは
トンネルから脱出する30分程で
それ以後、ダイジェスト的にマンガ版のシーンを繋げています。
原作の個々のシーンは作品のテーマと呼応するものですが
この映画版ではダイジェストであるため
浅い解釈にとどまざるを得ません。
邦画界にとって、膨大なマンガ・アニメ原作の存在は
大きな武器の一つですが、ほとんどの作品に共通する
「2時間の枠に入りきらない」という問題を
解決しないと宝の持ち腐れになりかねません。
全てのエピソードを詰め込むのではなく
トンネルから脱出するまでを2時間の枠で映像化した方が
良かったのではないかと思います。
内容で2点、映像のがんばりにプラス1点です。
しかし、トンネルから脱出するまでの30分は
鳥肌ものの出来栄えになっており、原作ファンなら
このシーンだけのために観賞するのも悪くないと思います。
映画ならではのリアリティがあります。
私は原作を読んだ事があるので「原作と比べて」という
立場で評価しましたが、マンガ版とは違う映画版ならではの解釈が
あってもいい訳で、原作を読んだ事のない人の方が
素直にこの作品を受け止める事が出来るのかも知れません。
東京怪童(3) <完> (モーニングKC)
まぎれもない、名作!
涙が止まりませんでした。
病気や精神疾患を盛り込んだ作品は多いけれども
これは虚構ともいえる症状をファンタジー的にかきつつ、
人の心のリアリティにせまった希有な作品。
まさに怪作です。
ずっと先の話 (デラックスコミックス)
ドラゴンヘッドで初めて望月氏の作品を読み、座敷女、鮫肌男と短編を読んできて興味を持ちました。ヴィレッジヴァンガードでふと手に取った一冊でしたが、大当たり!。望月氏の持つさまざまな才能を強く感じる一冊です。たくさんのカラーページとバリエーションに飛んだコンテンツを手に入れて1,100円というのはちょっと申し訳ない様な価格です。それにしても、現代的な女子高生(僕のようなオヤジの想像する...)の絵を書かせたら本当に上手ですね。わたし、大好きです。