Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 (BEAM COMIX)
客寄せの作家さん以外は当然ですが未熟です。
他の雑誌では掲載してもらえないような、売れるセオリーを無視した漫画も載せて作家を育てていきましょう、という雑誌なんだと思います。
有名作家の模倣じみた絵や話しか受け付けない傾向にある漫画業界には必要な雑誌かもしれませんね…。(しかしこの雑誌の漫画が皆似た傾向にあるのは残念です。次号からに期待。)
なので将来の漫画業界のために投資しましょうという覚悟がないと辛い人も多いと思います。
何年経っても某有名バスケット漫画や某有名不良漫画が最高の漫画だ、と思う方は読んでも面白くないかもしれません。
しかし何年か経てばこの雑誌は化けるかも…。
という訳で今の所は漫画愛が無いと辛い、ヨチヨチ歩きの雑誌だと思います。
評価は期待をこめて星3つ。
自分はしばらく購読してみます。
季刊 真夜中 No.6 2009 Early Autumn 特集:誰も知らない恋
今回の特集は「誰も知らない恋」。
特に良かったのは、ビジュアル 恋の名作劇場として、山本直樹の絵とボリス・ヴィアン『うたかたの日々』、夏目漱石『それから』などをコラージュしたもの。
ボリス・ヴィアンの小説は山本直樹の絵によく合うような気がする。
それ以外でよかったのは、よしもとばななの恋の苦しみというブックガイド。
取り上げられたのは、森博嗣。彼女と森博嗣が仲がいいのは知っていたが、ここまでの絶賛とは。森博嗣のファンとしてはうれしいところだけど。
高山なおみの新連載もいい。彼女の文章ってどこか暗さというか翳がある。料理のエッセイとはまた違った雰囲気だ。
はこにわ虫
近藤さんの絵はモノクロが良く似合います。漫画を読んでモノクロ感を意識することってあまりないような…。いつも自分のすぐ側にあるのに気付かないで通り過ぎてしまいそうな空想の糸口を巧みに捉えたお話。毎日の生活の中で考えてしまうよからぬ妄想や、見間違いのような空想が、自分の中で反芻して楽しんでいるうちに、ついに現実にくい込んでくる…、そんな殊玉のストーリー。しかもその絵のうまさは、ヒトコマ、ヒトコマやられます。指先まで綺麗に描かれた手はまるで仏像みたい。大好きです。