永遠の仔〈1〉再会 (幻冬舎文庫)
読み終えた後、呆然とし、しばらく動けなかった。ミステリー要素がありながらも深く、深く、生きることの意義を問い直す作品。
海辺の病院の児童精神科に入院する3人の子供たち。お互いを奇妙なあだ名で呼び合い、人には明かせない暗い過去を背負う彼らは、「神の山」石槌山に救いを求める。神の山で何が起こったか。そして18年後、彼らは再び出会った。再会はさらなる悲劇の始まりか、それともようやく訪れた救いの時なのか。
過去と現在を往復しながら進展していく物語。3人の再会が引き金になって起きる事件の数々。全ての始まりであった過去の悲劇が次第に明らかになっていく。
児童虐待、老人医療・・・僕たちが直面するこれらの重大な社会問題を背景にしつつ、「家族」のあり方や「生きることの意義」を読者に問いかけてきます。
主人公3人がたどり着いたのは絶望なのか、救いなのか。是非本作品を読んだうえでご自分でも判断してください。
LOST CHILD
さみしいだけの曲である。
その1つの曲を、わずかに楽器の編成を変えつつ、3度繰り返してみる。
するとどうだろう・・・・・・やはり、さみしいだけなのだ。
次第に、聴くにつれて疲労してくる。
この倦怠感に満ちた1つの曲のために、この定価設定で売るのはどんなものか?むしろそちらに疑問が湧く。
しかし、このCD自体は、けっして悪くは無い。憂鬱に抱きすくまれて、さみしく薄暗い気分のなかへ、落ち込みたいだけ落ち込めるだろう、浸りたいだけ浸れるに違いない。なりたければ、の話である。
I will...
男女2人組みのユニット、イクシードの最大のヒット曲にして、ドラマ「永遠の仔」主題歌。
ややアップテンポで激しめの曲ですが。ギターやピアノの他に、バイオリンなども使われた曲で、大人達のヒリヒリ痛い物語に、とても合っていました。
サビの言葉とメロディーがとにかく好きです。救いがない中で、「君の手を握りしめて光を探す」という。切実過ぎる切なさが溢れてるじゃありませんか。
カップリングは死にゆく主人公の心情をハードロックで歌っています。
残念ながらイクシードは数年前に活動を休止してしまいましたが、あのドラマでこの歌が気になった方。今から新品で手に入れるのは難しいかも知れませんが、中古などでもゼヒ。
Recovery and Reload
[iksi:d]の最初で最後になったスタジオフルアルバム。
色々な意味で当時にしては新しい試みがアルバム全体を通して貫かれている。
巧みなアレンジとこの手のサウンドにしてはヘヴィなGuitar、小玉キョウの癖のあるVocal、どれを採ってもプロがプロたる意地を見せ付けたサウンドである。
随所に効果的に挿入されるストリングスアレンジも目を見張る物がある。
惜しくも短命で終わってしまったユニットではあるが、この作品が日本の音楽史に残る異端なJ-ROCKである事に異議を唱える者はいないだろう。
七つのダイアトニックコードを駆使したコード進行は全て世に出尽くした。新しい物を構築しようとすれば、ジャズやフュージョンのテンションコードへ向かうしか無い。
そこでミュージシャンに問われるのは斬新なアレンジで定番のコード進行をベタに聴かせない事だ。
J-POP/ROCKと言う狭いフィールドで試行錯誤された末に産まれたこの作品の本質はもしかしたら同業者に一番訴えかけるのかも知れない...。
誰が何と言おうと名盤です。