映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION)
この著者のいつもの軽快な文体も面白いが、この本については
感想家ではない映画評論家としての面目躍如といった感じ。
ためになったし面白くて一気に読めた!
今まで、名作だってだけ知っていて見た結果よく分からなかった映画
(私の場合「2001年宇宙の旅」)の意味やイージーライダーやタクシードライバーなんかの、
その時代においての意味とか名作が名作たるゆえんが分かった気がした。
映画が同時代を生きたシーズンがあった!
という感動とかけがえのなさを感じた。著者のこんな本がもっと読みたくてしょうがない。
ベスト・シネマ・クラシック100
disc1〜2は有名映画で使われたクラシック曲とクラシックではないスター・ウォーズやロード・オブ・ザ・リング、タイタニックなどのテーマも混ぜられています。ジョン・ウィリアムズやモリコーネなどの映画音楽もクラシックの名曲に引けを取らない傑作であるとあらためて気付かされます。
disc3からは映画のテーマ曲は無くなってクラシック曲ばかりになりますが、disc3では主にモーツァルトの曲が収録されています。disc1〜5にモーツァルトの有名曲はだいたい収録されています。
disc4はピアノ曲が集められていてナインマンのピアノ・レッスンの曲で幕開けです。このdisc4が一番のお気に入りです。
disc5は映画の中で使われたオペラ曲が集められています。
disc6はバッハを中心としたバロック曲がメインになります。
discによってカテゴリー分けがされているので、ピアノが気に入ればまた別のピアノのCDに行けばいいし、自分の好みのジャンルや作曲家が見つけやすくなってます。
ほとんどの曲が一度は聞いたことのある有名曲ばかりなので、映画が好きでこれからクラシックを聴いてみようかなと思ってる人には良い入門CDだと思います。
時計じかけのオレンジ 製作40周年記念エディション(初回限定生産) [Blu-ray]
特典ディスク目当てで購入しましたが、映画本編を観て見るとヨーロッパビスタサイズで編集されてます。 これまでに発売されていた「時計じかけのオレンジ」のブルーレイ版は画面横を通常のビスタサイズに合わせるために画面上下を削ってたために、キューブリックファンからは非難轟々だったようですけど、 今回のリイシューはファンも認めざるをえない完全版といってもよいと思います。
ブックレットは、キューブリックの撮影中の写真や映画の印象的なシーンのショット、映画出演者の紹介など見ごたえがあります。
キューブリック作品のボックスセットではおなじみになっている映像作品「a life in pictures」もやっとボックス意外で手に入りましたし。
既発の「2001年」と今回の「時計じかけ」のブルーレイは個人的に永久保存版決定です。他のキューブリック作品もいち早くオリジナルに忠実なブルーレイ化を望みます。
A Clockwork Orange (Essential Penguin)
ハヤカワ文庫の、乾信一郎さんの翻訳したヴァージョンを好きになった方は、原著にも手を伸ばしてみてください。
まず、言葉が面白い。ロシア語、古語がごったまぜになった「ドルーグ語」が展開されます。まっとうな英語ももちろん披露されていますが、ドルーグ語なしでは原著の魅力が半減してしまっていたでしょう。乾先生も翻訳に苦労なさっただろうなあ。
アレックス君と彼のドルーグたちの悪しき振る舞いには、英語にあまり慣れていない我々日本人にもヘキエキするはずです。また、乾先生がハヤカワ文庫の中で仰っていたとおり、「悪文」です。まともなイングランド人には読めないでしょう(ミック・ジャガーは本作のファンだったそうです・・・映画化される前から)。バージェス先生は、本作を書く前に、妻を輪姦されてしまった挙句、脳に病気を持ってしまって、余命わずかだと診断されていて、アル中状態でした。あの悪文はそんな中から生まれたものなのでしょう。
本書で扱われていて、映画ではあまり取りざたされていないことは、「Study of human choice」、「選択の問題」です。いくら人が悪事をやらかすからといって、人間の自由を奪ってしまっていいものか?ということは、本書に限らず、人類の普遍的課題でしょう。本書はそれを真剣に考えています。
よく言われる「幻の最終章」のことですが・・・アレックスは、かつてのドルーグたちが独立しているのを目の当たりにして、本気で人生について、真剣に考えるのです。それはいい。ですが・・・本書の課題である「Study of human choice」とは、かけ離れてしまっています。しかもおしまいが「O my brothers, remember sometimes thy little Alex that was」・・・唖然。バージェスは、なんでこんなつまらない、余計なラストをつけてしまったのでしょうか。アメリカ版が発行されるにあたり、編集者がこの部分をカットした理由も、なんとなくわかるなあ。「What's it going to be then, eh?」から「I was cured all right」までは完璧なのに。
それで本書の価値が下がるわけではありませんが、アメリカの編集者も、(映画化した)スタンリー・キューブリックも、「これは蛇足だ」と切り捨てた理由が、よくわかりました。
アクチュール・ステージ (キネ旬ムック)
インタビューが掲載されていたので購入しました。 でも他の方々のインタビューも読みごたえがあってよかったです。 ただ値段が1200円というのは高すぎます。せめて980円とか1000円出してお釣りがくる値段にして欲しいです。 まぁ、いま旬の若手俳優さんからベテラン俳優さんまで幅広い方々の貴重なインタビューなので(そうでなくともヤスケンさんが載っているので)大事に保存しておこうと思います。 20頁にわたる向井理さんのロングインタビューはファン必見ですよ!! でもくどいようですが私はヤスケンさん目当てで購入しましたf^_^;