Complete Last Concert
MJQといっても、今の若い人たちにはぴんとこないかも知れない。それほど過去のグループになってしまったようだ。ジョン・ルイス(p)、ミルト・ジャクソン(vib)、パーシー・ヒース(b)、ケニー・クラーク(ds)からなる「モダン・ジャス・カルテット」の略である。結成当初は、ミルト・ジャクソン・カルテットと称していたそうだ。(それでもMJQなのが興味深い。)
フュージョン全盛時、彼らはブラックスーツで、淡々と演奏していた。ジャズの室内楽といわれたものだった。
このアルバムは、当時LP2枚組で発売された。彼らの様式美の結晶がずしりとアルバムに詰まっていたのである。
解散後、トリオを率いて来日したジョン・ルイスのライブを聴いたが、決してピアノが上手ではないという印象をもったことを懐かしく思い出す。ただ、ひたむきにピアノに向かう学者然としたルイスを見ていると、ミルト・ジャクソンとは正反対の個性?であるが故にこそ、このユニットは長い間続いたのかなぁ、と思ったものだった。
マンハッタン・ジャズ・クインテット・アット・ザ・シンフォニー・ホール [DVD]
Mannhattan Jazz QuintetとJames Mackの指揮する大阪センチュリー交響楽団との見事な共演。ジャズ・ファンのみならずクラシック・ファンも楽しめる一枚です。
David Matthews(p, arr)のアレンジもカッコいい。Lew Soloff(tp)は、さすが数多くのビッグ・バンドでリード・トランペッター&ソリストとして活躍しているだけのことはあります。ソロだけでなくテーマもカッコいいです。George Young(ts)は見事に楽器をあやつり、Victor Lewis(ds)とCharnett Moffett(b)は見事にオーケストラとMJQを結び付けています。
'96.12.14 大阪「ザ・シンフォニーホール」にて収録 119分
ノベルズ・ジャズ
村上春樹氏の諸作品に登場するジャズを中心に選曲されたオムニバス・アルバム。
多くがジャズのスタンダード曲なので、
オリジナルを求めることにあまり意味はないかも知れないが、
『ワルツ・フォーデビー』ならビル・エヴァンズ・トリオ、
『イパネマの娘』ならゲッツ&ジルベルト、
『マイ・フェイヴァリット・シングズ』ならジョン・コルトレインで聞きたいところ。
実際には、レーベルを越えての選曲は無理なのだろうから、
他のミュージシャンによる演奏が収録されている。
無難にまとまっていて、ジャズのBGMとしては悪くない。
Manteca
もともと、日本のレコード会社のプロデュースでレコーディングバンドとしてスタートしたMJQですが初めて本拠地、NYスイート・ベイジルで録られたライヴ・レコーディングのものです。このCDが発売された直後に大阪ブルーノートでライヴを聴きました。今でもあの夜のことが思い出される1枚です。
マイ・ファニー・バレンタイン
デビッドマシューズのどこが良いのか私には分らないのですが、少なくてもこれはスティーブガッドとエディゴメスがリズム隊をやっているので。やはりスティーブのリズムの叩き方には独特なワンワンドオンリーなものがありどの作品でも素晴らしい。また、ジョージヤングとスティーブの相性が良い気がする。特にと言えば、一曲目の"MR.P.C."。原曲がどうのというよりまさしくスティーブガッドのドラミングを楽しめる。