リスト:超絶技巧練習曲(全曲)@ベルマン(p)
長らく廃盤になっていた名盤がメロディアのCDで復活しました。とはいえ、まだ、amazon
には登録されていないようですが、登録されたらそちらにも書き込みます(なので評価
はそのCDを基にしてます)。
当方数種類「超絶技巧」を持ってますが、やはり、冒頭でいきなり活を入れられるのは
この演奏。きっとこういうところが、吉田秀和さんはお気に召さなかったのでしょうが、
(余り知的に聞こえない云々)これはこれでアリ。但し録音が余り良くないので、聞き
終わった後には頭ががんがんするような感じです(まさに音のシャワー)。
ある意味ハードロックのアルバムのような構成でもあり、冒頭2曲で極限まで持って行っ
たところで、3曲目以降で少しゆるめ、美メロの曲とゴリゴリ系の曲の交替、最後は穏や
かに始まり盛り上がるというこの曲集の性格を極限まで見事に表しております。
リスト本人がどのような演奏をしていたかは分かりませんが、リスト本人からも褒めら
れる演奏でしょう。
ただし、ベルマンについてはこの演奏だけで語るのは片手落ちであり、是非とも、グラ
モフォンから出ている、巡礼の時も一緒に聞くとよろしいでしょう。各々の曲の穏やか
なタイプの曲はブレンデルの抑制のきいた演奏が当方は好みですが、曲集全体のバラン
スはベルマンの方が良いですし、第3年については全曲そろってます。
しかしながらこのようなミュージシャンが冷遇されるソ連というのは何だかなぁという
感じ(それもエネルギーなのかもしれないが)。
気をつけた方が良いのはモノラル盤でもベルマンの超絶技巧はありますが(今のところ
こちらの方が世にたくさん出回っている)、録音も悪く、演奏も今ひとつですので間違
えないように。
ラザール・ベルマン名演奏集(7枚組)
(ドイツから出品、というマーケットプレイスで輸入盤を購入しましたが、なぜか国内盤を購入したことになってしまったようです;実際は米国版でしたが。以下は米国版の方に先に投稿したレビューです。)約1/3を占めるリストの他、ラベル(夜のガスパールのオンディーヌ)、スクリャービン(ソナタ4番他)、プロコフィエフ(ロミオとジュリエット他)、ベートーベン(月光、熱情)、ショパン(英雄、牧童、木枯らし他)、チャイコフスキー(ファインバーグ編、悲愴第三楽章)、モーツァルト(ロンド3)、シューベルト(ソナタロ短調)、シューベルト(リスト編魔王、アヴェ・マリア他)など、広範なレパートリーが収録されています。なおリストはメフィストワルツ、超絶技巧練習曲(鬼火、狩り他)、スペイン狂詩曲、巡礼の旅(オーベルマンの谷他)の他、ピアノ協奏曲1番、ロ短調ソナタ、ペトラルカのソネット、暗い雲(灰色の雲)等が収録されています。
ヴォロドスの演奏で興味を持った、ファインバーグ編の悲愴が目当てで購入しました。ヴォロドスのようなグリッサンド攻撃こそなかったものの、軽々と弾きこなしており期待通りの演奏でした。他にも魔王や熱情、オンディーヌなど有名な曲が盛りだくさんでお買い得でした。
音質は歴史的、というか少し遠くの方から聞こえる感じがするのと、ライブ音源が混じっているのか、観客の咳払いなども入っています(録音時期は分かりませんが、60年前後でしょうか。カーネギーホールでのライブの方が録音がよいと思います)。あと、ボックスの中の紙ジャケが固くCD本体の出し入れにやや難があります。それでも圧巻の演奏が、これらの欠点を補って余りあると思い☆5つとしました。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番/カーネギー・ホール・ライヴ
初めて聞いたのがLPで、「鉄のカーテンの向こうの知られざる名手」、「リヒテルもギレリスも、ベルマンには敵わないと語った…」など伝説のピアニスト扱いで、ゴルバチョフ下のソ連から初来日を果たした86年ぐらいだったと思います。
その後CDを購入 => 引っ越しの最中事故にて紛失、再度購入 => 海外で盗難、いつの間にかCDは廃盤となり、ベルマンもひっそりとイタリアで亡くなり、残された彼のチャイコフスキーやリストを聞きながら、もうあのアバドとLSOとの名演を聞く事は出来ないのか…と哀しみに暮れていました。
ベルマンのラフマニノフは世界文化遺産です。今回の3番の復刻にはカーネギーホールライブのボーナスもついて、とてもお買い得です。
願わくばオリジナルの、アバドと一緒に譜読みをしているジャケットに、戻して頂けないかと思います。