秋櫻の頃
『あさみちゆき』さんの歌はどれも心地いいですね。
今度の歌は亡き父を想うものですが、穏やかなテンポで優しい歌い方、それでいて日本語としての言葉ははっきりと伝わってきます。
聴いていると、目の前に長閑な情景が展開されてゆき、いつの間にかその世界に同化されてしまいます。
何度もリピートで聴いています。
歌うポイントは「語りかけるように歌う」ことだそうです。
Single Collection of Early Days vol.3(紙ジャケット仕様)
郷ひろみと言えば筒美京平なわけだが、TBS水曜劇場「ムー」の企画モノである樹木希林とのデュエットソング「お化けのロック」(1977年9月発売/作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童/編曲:萩田光雄)以降は様々な作詞家、作曲家がHIROMI GOを手掛けることになる。
都倉俊一は「バイブレーション(胸から胸へ)」(1978年3月発売/作詞:島武実/作曲:都倉俊一/編曲:都倉俊一)が最初で、「林檎殺人事件」を挟んで「ハリウッド・スキャンダル」へとつながっていく訳だ。
郷ひろみはアイドル脱皮の時期で、「ムー」「ムー一族」でコミカルな面にスポットが当たり、「お化け~」「林檎~」が予想外の受け方をしたこともあって、そのゆり戻しの楽曲として、いかにも芸能界、ゴージャスイメージの都倉俊一に白羽の矢が立ったのかもしれない。
「バイブレーション(胸から胸へ)」は広告的な世界観の詞で、いかにも島武実である。当時、郷ひろみを指して、近田春夫がプラスチック感覚といったことを言っていたが、島武実の詞はそのイメージに大きく影響していると思う。メチャクチャ夏の詞なのに春先発売というのがおかしい(広告っぽい)。
「ハリウッド・スキャンダル」はビージーズの「愛はきらめきの中に」が楽曲の下敷きとしてあると思う。詞先か曲先か分かんないけど、ミラーボールとかレザリアムなんて詞は明らかに「サタデー・ナイト・フィーバー」のイメージ。いまあらためて聴くと、ホーンとか使ってるものの、それほどゴージャスなアレンジではなく押さえ気味、でも時代を感じさせるサウンドである。その曲を聴くことで、当時の出来事とか思い出がどれだけ引っ張り出されるかってのが、その曲のある種のチカラだと思うんだけど、僕にとってこの曲は、まさにそうしたチカラがあって、高校時代のアレコレが思い出される。
詞は当時も話題になったけど、思いっきりヘンで「♪俺、爪の先までビッシリビッシリ、俺、爪の先まで惚れていたの、さぁー」「♪君、髪の芯までビッシリビッシリ、君、髪の芯まで女だった、よぉー」ってかなり気持ちの悪い表現で、そこがとってもステキである。