のんちゃんのり弁 通常版 [DVD]
良くも悪くも『朝の連続ドラマ』的な作品でしたね。私は、昔の松竹映画のホームドラマを観ているような、良質で、懐かしさを感じる映画だと思いました。
また、ある意味、料理が重要な小道具となる映画でもあります。先日観た「南極料理人」もそうでしたが、本作も「かもめ食堂」のフードスタイリスト飯島奈美が画面に登場する料理を担当しているようですね。のり弁が、実に美味しそう。
物語の構造自体は定番の成長譚です。本作の場合は、31歳の子持ちお母さんですが。(笑) テンポ良くストーリーが展開する、100分はちょうどいい上映時間でした。
小西真奈美の『べらんめい口調』で啖呵をきるなど、今まで見たことのない一面を覗く事ができるハチャメチャな演技もキュート。岸部一徳や倍賞美津子の味わいある演技は文句無し!
岸部一徳演じる料理屋の主人が、「家族の為に何かするのと、商売で銭取って何かするのは、全然別次元の話なんだよなぁ」と含蓄のある言葉を吐きますが、冒頭の「家族の為」に作った弁当と、ラストの「商売」で作った弁当との対比。
結局、明るい予感はあるものの「めでたしめでたし」のラストになっていない事が、ほろ苦くもリアル。「おと・な・り」のように最初と最後が絵のない画面に音声だけで対にしているのも悪くない。
『ざんねんなこ、のんちゃん。セーラー服トラウマ日記』 [DVD]
原作がある作品です。
自分は原作は読んでいませんが何となく気になったので見ました。
中学生の思春期時代の話になってますが、あまり思春期に関係ないエピソードもあります。
のんちゃんのノリにハマる人はハマるけど合わない人は合わないかなと真っ二つに分かれる作品だと思います。
クラスメートと絡む事は絡みますが、群れは作らず基本的にのんちゃんが頭の中で考えている事が声により伝わってきます。
また妄想してる事も結構多くそれで話が進んでいきます。
かなり自分の世界に入っています。
時々吹き出してしまうような事をやったり、変顔や快感顔を良く見せます。
みひろが好きな人や疲れた時に何も考えないで見たいって時にオススメだと思います。
ノンちゃん雲に乗る
のぞみちゃんの歌声には不思議な力があります。
昨年はテレビでのあどけない姿、たどたどしくも一生懸命歌って元気いっぱいの振り付けを見る度にたくさん癒してもらいました。
そんなのぞみちゃんの初アルバム。もちろん購入しました。
オリジナル曲の1曲目「ノンちゃん雲に乗る」は心が洗われるような、もう一度聴きたいと思わせてくれる素敵な曲です。
5曲目の「ケータイがほしい!」は歌詞が可愛く、聴きながら顔がほころびます。
個人的にはのぞみちゃんのまだ完成されてない歌声が良いスパイスになっていると思います。
さらにポニョのPVや振り付けのDVDがとっても可愛くて満足しています。
歌詞カードの中の写真をもっと多くしてほしかったですが、素敵なアルバムになっています。
ノンちゃん雲に乗る (福音館創作童話シリーズ)
もうすぐ二年生になる「ノンちゃん」はまちがって池に落ちた……と思ったら、「地下天国」のおじいさんの雲に乗っていて、自分のこと、家族のことを話しているうちに……。
古い言葉もあるけれど、美しい日本語と文章の流れ、そして、こんなに巧みな構成だったか、と今更ながらうならせられる。
これから級長さんになるし、成績抜群で、家のお手伝いもちゃんとするノンちゃんは、自分がすごくいい子だと思っている。でも、小さい時に大病をしたせいで、両親からも二つ上のおにいちゃんからも、とても大切にされていることがまだわからない。けれど、神様のおじいさんによって、心の奥にあった優しさが、どんどん引き出され、少しずつ大人の考えができるようになり……。
ある種の理想の保護者像や親子関係も示されているし、子ども特有のかわいらしい思いこみもたくさん出てきて、笑わされたり、ぐっと胸をつかれたり。そして、いつのまにか、知っている女の子、自分の中にもいたかもしれない存在として、ノンちゃんが迫ってくる……。
子どもの時読んだとしても、大人にももう一度読んでもらたい、1951年の名作。