CROSS CHANNEL
この作品の主題は端的に言って『生きるとは何か』です。
哲学的で難しいテーマを題材にしてはみたものの、消化不良のままにご都合主義エンドを迎えてしまうシナリオが数多く氾濫する昨今のゲーム市場の中で、本作はそれらしい台詞で誤魔化すことなく、与えられたテーマに真摯に向き合った上で納得のいく結論を示してくれています。
作品を代表するあの何気ない問いかけの、真に意図するところを悟った瞬間には、いよいよ伏線と構成の巧妙さに脱帽するばかり。もはやお手上げです。
しかし内容的にはまったく堅すぎることも難しすぎることもなく、ちょっと哲学を気取った文学スノッブ的な側面は否めませんが、別に哲学書を読むわけでもなし、ひとつの物語としてはそれで十分で十全です。むしろ哲学的でやや説教がましい内容をよくもここまで物語性として昇華できたな、という感慨すら浮かびます。田中ロミオの作品はみんなそんな所感が浮かびますけど。むやみに考察サイトなんかを鵜呑みにしないで自分なりに答えを探して欲しいところです。
少なくとも私は、理想論を追いかけることなく、現実の醜さを肯定した上で最善の道を模索しようとする主人公の姿勢は、作為的に前向きぶるよりはるかに尊い。そう思います。
また、本作はキャラゲーではなく作品テーマそのもの…ひいては主人公に常にスポットライトが当たっている物語なので、ヒロインに対する掘り下げがほぼなく、過度に泣きとか萌えとか即物的なタイトルを期待すると肩透かしを食らいます。それらはあくまでメインテーマを描く上での副次的な産物ですから。とはいえギャグもシリアスも適度に織り交ぜられたストーリーは、万人はならずともおおよそ8割がたの人間に受け入れられることは必定。
割と昔のゲームなのに未だに根強い人気を誇る名作ゲーム、一度は抑えておくべき。
世界から異常者の烙印を押され、施設に閉じ込められた少年少女。
無関心からすっかり疎遠になった放送部員たち。
ぎこちなくも、互いに築き上げること信じて、触れ合おうとした日々。
対立。和解。
そして世界へ向けて放送――。
自身や他者の価値。孤独の意味。人間性とは何か。
人生で誰しも一度は考えるテーマを題材に置いた、思春期の少年たちの心の葛藤を描いた青春群像劇。
CROSS † CHANNEL (クロスチャンネル) (通常版)
この作品は、人と人の間に起こる、衝突や和解を描いた作品です。
「群と個」
「生きるということ」
それと「自分と他者」
に対しての答えが作品を通じてメッセージとなりストレートに伝わってきます。
特に
主観的にみた「他者」
についての主人公が導き出した答えは最高です。
人間同士の触れあい、交差、CROSSはこの答えが全てなのではないでしょうか。
こっからはシナリオ以外の感想↓
BGM
とてもいいです。
作品の雰囲気を邪魔することなく、むしろ引き立ててくれています。
CG
これは好みが分かれると思います。
自分的にはこの淡いタッチの絵は作品の雰囲気に合っていていいと思いました。ギャグのときのSDの絵もいいですw
それとPC版より結構な枚数が増えていていいです。
システム
いいです。
オプションも細かく設定でき、ショートカットキーやオートクイックセーブ等、便利なものも多いです。
作品のメッセージ性、キャラ、ギャグ、絵、音楽、システム、全て含めてこの作品は一流だと思います。
この作品は、受け取りかたは人によって様々でも、プレイヤ―の心に何かを残してくれると思います。
シャネル―スタイルと人生
シャネルのことは、女性雑誌の特集で知りました。
孤児院で育った生い立ちをばねに、天性の才能から歴史に残るブランドを確立した女性・・・
私は、一時シャネルのような生き方をしたいと思っていました。ですが、年齢を重ねる中、いかに彼女が孤独で過酷な人生を歩んだか、理解できるようになりました。何人もの有名な男性との恋愛を重ねても、彼女は孤独と闘っていたでしょう。
この本には、彼女の初期の作品、彼女の愛人を含めた交友関係、美しいシャネルスーツ、往年のシャネル・・・・と、様々な写真が掲載されており、シャネルの世界を堪能できます。
それにしても、60代を超えた彼女からは、実業家としての鋭いオーラと独特の色気がただよい、近づきがたいが、人々を大変魅了したことが伺えます。
私は、さすがに今はシャネルのような生き方は、望んでおりません・・・強い精神力と、知性と、クリエイティブな才能がある女性だからこそ歩める人生です。彼女が生まれ変わったら、愛を疑うことのない、愛に満たされた人生を送ってほしいなあ・・・
シャネル シャネル[DVD]
1986年制作のドキュメンタリー・タッチの作品。デザイナーのカール・ラガーフェルドの解説をベースに、ココ・シャネルの生い立ちから時代のフロンティアを次々と切り拓きながら生み出されるシャネルのファッション・作品群が見られる、とても充実した内容です。インタビューにはシャネル自身の映像と発言も多く見られ、その自信と確信に満ちた刺激的で挑発的な発言の多くは、今も女性の心を惹いてやまない魅力があると思います。今もトップブランドに君臨する「シャネル」が、なぜ現在の地位を獲得できたのか、その背景にあるシャネル自身の努力と強い意志を見ると納得させられるものがありました。
シャネルについては多くの「映画」がありますが、このドキュメンタリー作品のように、たった60分でこれほどシャネルの人間像と作品群、その時代背景を見られる作品は少ないと思います。イチ押しで★5つにしました(!)。
ココ・アヴァン・シャネル特別版 [DVD]
母親を亡くし、父親に見捨てられたガブリエル・シャネルは、姉と共に田舎の孤児院で少女時代を過ごす。やがて、仕立屋でお針子仕事をする傍ら、姉と共にキャバレーで歌を歌い、つましく生計を立てていく。また、その時の持ち歌から“ココ”の愛称で呼ばれ、本格的に歌手を志すようになるガブリエル。そんな彼女はある日、エティエンヌという裕福な将校と出会う。愛人関係となった彼の支援で歌手になる夢も膨らみ、上流階級の社交界も知るガブリエル。ところが、歌手の夢は潰え、愛人に留まるだけのエティエンヌとの生活も次第に陰りが見え始める。しかし、この時ガブリエルには裁縫の独創的で類い希な才能が芽生えていた。そうした中、本当の彼女を理解するイギリス人の実業家ボーイ・カペルが現われ、相思相愛となるのだが…。
本当に美しい映画です。ただただ、それに感動するばかりでした。ちょっとパトロンのバルサンがおっさんっぽい気がしましたが実際のパトロンもそんな感じだったのかなと思います。少し物語の説明を省きすぎている感が
強い気がしましたが、むしろそれによって回りくどくなく、伝えたいことを中にすべて注ぎ込んだのかなと思わせる作品でした。