最初に言っておきます。
この映画は本当におもしろい。それ以外の表現が見つからない傑作です。
最近、ネットなどで映画に関する論評を見ていると、この作品はつじつまが合ってないとか、これは現実的にあり得ないとか、鬼の首を取ったように欠点を並び立てて酷評する文面を見かけますが、この作品は、そういった理屈と映画を観る感性は別物であることを実感させてくれます。
最初は嫌いな補習の逃げ口実として、
ジャズを始めた女子高生たち。そんないかにも現代風なこらえ性のない彼女たちが、ある日を境に
ジャズにのめり込んでしまい、逆境をものともせず、そしてついには多くの人々の心を動かし、自らが演奏する
ジャズの虜にしてしまう。
ありがちと言えばありがちな展開ではありますが、でも、やっぱりおもしろい。
「展開は予想できるのに、なぜかおもしろい。誰も不幸にならずスカッとする作品を作りたかった」
という矢口監督の言葉通り、この作品は「王道」の奥深さを教えてくれているような気がします。
理屈だらけの作品や毒にまみれた映画に飽きてしまった、と言う人は、ぜひともこの作品をお試しください。
絶対に損はしませんよ。
東京
日航ホテルでのライブ。スウィングガールズが出てくるのは後半です。
あのメガネ役の元仮屋ユイカさんは都合で出ていません。つまり16人での出演です。オーディションから2年、正月が20歳の誕生日だったり、高校の進級がかかっていたりと、それぞれのエピソードが自己紹介で聞けます。シーラカンスの兄弟も参加していて、当時の雰囲気が映像とともによみがえります。監督も最後にサックスでA
列車で行こうを演奏します。
映画を楽しく見た人にお薦めの1本、アンコールの余韻が心に残ります。