ラテンアメリカは日本から遠く、その実情はあまり知られていません。私も実はビクトル・ハラのことは知りませんでした。南米チリで生まれ活躍した歌手兼ソングライターで1973年独裁軍事政権によって二度とギターを弾けないよう手首を折られ銃殺された国民的ヒーローです。しかし虐げられた民衆の立場にたって歌う彼の歌からは恨みや悲しみだけでなく、明るい希望や情熱も感じます。若々しく力強い歌声は心に響きます。 このCDブックは歌詞の和訳ものっており、解説を合わせて非常に分かりやすい作りになっているのが良いです。
著者の八木啓代さんは、ラテン歌手でおられながら特捜検察の問題にかなりの時間をつぎ込んで告発をされていますが、なぜ音楽家である八木さんがそこまでされるのか、この本を読んで良くわかりました。悲劇を取材して作られた本なので「面白い」といっては語弊があるかもしれませんが、精力的な行動(主に中南米の音楽家との交流)と驚くような体験がキリッとした文体で小気味良く語られています。20年も前に書かれたとのことですが、今の日本でこそ多くの人に読まれるべき本だと思います。
著者の八木啓代さんは、ラテン歌手でおられながら特捜検察の問題にかなりの時間をつぎ込んで告発をされていますが、なぜ音楽家である八木さんがそこまでされるのか、この本を読んで良くわかりました。悲劇を取材して作られた本なので「面白い」といっては語弊があるかもしれませんが、精力的な行動(主に中南米の音楽家との交流)と驚くような体験がキリッとした文体で小気味良く語られています。20年も前に書かれたとのことですが、今の日本でこそ多くの人に読まれるべき本だと思います。
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