学生時代にフリッパーズの大ファンだった人は当時のフリッパーズ熱を想い起こさせてくれる１枚です。当時の曲順のまま、フリッパーズの個性を消さずに、新たなタイの現代の個性が上乗せされていて、元の曲を知っている人は次はどんな感じでくるのかわくわくし、元を知らない人にはすごく新鮮な感じを受けると思います。

ひょっとしたことから二人で鉄道旅行を始める二人。

掲載雑誌が途中休刊したため、描き下ろしを含めて小学館で初めての単行本化された作品です。

電車車内などもきわめて正確に・精密に描きこまれており、鉄道マニア・旅行マニアなら飛びつくとても良い作品です。

もう、廃線になってしまった中央本線の碓氷峠を走るシーンなども描かれており、旅行雑誌の連載なら、長期連載になったであろう作品です。
不況で旅行を控える人が多い中、せめて、この本を読んで、過去に旅行した風景を思い出してほしいです。

リリースは１９９３年９月。
ということは、もう１０年以上もたっているんですね。
なのに、まったく古くない。ダサくない。
９３年当時から「都会的なお洒落な音楽」と思っていたけど、今でもそのイメージは変わりません。
ある意味≪おばけアルバム≫。
TVのバラエティ番組や情報・グルメ・旅などの番組ではバックにBGMが流れてますよね。
そういう場面でいちばん使われているのはエンヤの曲だと思うんですが、邦楽だとフリッパーズの使用率がかなり高い気がします。
それにプラス、フリッパーズの場合、今でもCMに使われることが多いです。
ある車のCMやNHKの受信料のCMに使われていた気がします。
このアルバムに入っている曲なら「さよならパステルズ・バッジ」がいちばんいろんな場面で使われているのではないでしょうか。
１０年も経つのに、忘れられずにずっと起用されるなんて素晴らしいですね。
もはやフリッパーズは日本のスタンダード音楽なのかもしれません。
フリッパーズのすべてのアルバムの中でもこれがいちばんポップでセンスがいい。
聴いているだけで自分までもお洒落な気分になる。
どんなに流行の流れが変化しても、あの頃も今もこれからもフリッパーズのセンスの良さだけは永久不変のような気がします☆

　小山田いくファンの熱い要望に応えての復刻版です。小山田いく作品を知るには本作から読むと、後発で発表された作品の原点（叙情詩的な描写、自然や生物の豊富な知識、幽霊からみのホラー・ミステリーなど）が端々に出てきます。
　ストーリーは長野県小諸市に住む中学生の晴ボンを中心とした青春群像です。描かれた時代が１９８０年代ということもあって、今の時代とは全く異なる中学生ですが、逆に今の４０代あたりの青春時代と思えば、この世代の方でなくても抵抗なく読めます。
　時代背景を抜きしても、コミックとしては密度の濃い作品です。学園ドラマは多くありますが、恋愛あり、ギャグあり、シリアスありのうえに、各キャラクターの家族構成、部活・生徒会活動や入試などの配慮もされていますので、近年の連続ドラマより丁寧な話作りをしています。最近の粗いドラマ、コマ割りを大きくして話を引き延ばしている姑息なコミックに食傷気味の方にお薦めします。