クローディア(バーブラ・ストライサンド)は、良家の娘として何不自由なく育ちましたが、成人すると家を捨て、高級コールガールとなっていました。ある日彼女は、客の一人を殺してしまいます。彼女の両親が依頼した
弁護士は、彼女は精神異常であるとの精神科医の鑑定書を提出し、彼女は精神病で公判に絶えられないこと、事件は殺人ではなく過失致死であるとして司法取引を申し出、検察側はこれを受け入れようとします。
しかし、彼女は怒り狂って
弁護士を殴ったことから、
弁護士は辞任し、裁判長は、法廷にたまたまいたレビンスキー
弁護士(リチャード・ドレイファス)を指名します。
彼女は、一見自分に有利な司法取引を受け入れようとしなかったのか、なぜ殺人事件を起こしたのか・・・。
被告人の公判適格は、日本の場合、検察側の情状酌量か裁判官の裁量心証によって判断されるかと思いますが、アメリカの場合、公判に先立ち、裁判所の審理を通じて行ないます。
この作品は、その法廷審理を通じて、アメリカ社会の闇の部分と人間の尊厳を考えさせてくれる作品です。
またこの作品は、もともとブロードウェイ戯曲の映画化ということもあって派手な演出はありませんが、法廷という狭い場で、登場人物の証言と動きと証言だけで真実が明らかにされていく面白さがあります。
また、歌手でありオスカー女優であるバーブラ・ストライサンドの演技が抜群で、事実の悲惨さを表現しています。
決して幸せだったとは言えない生まれ育ったブルックリン。生後15ヶ月で父を亡くし、母親の再婚相手から受けた虐待。生活の為見て見ぬふりで庇うことをしなかった実の母親。食事はテ-ブルに着くことは許されず床で鍋から直接摂っていたという。そんな故郷へデビュ-以来 半世紀以上帰ることはなかった。これまでNY公演はマジソンスクエア-ガ-デンが定会場だったが、昨年ブルックリンに新たに
アリ-ナが完成したことで正真正銘 凱旋公演となった。初日のフィラデルフィアでは4度の衣装変えがあったがメインのこの日は2度に止め、より歌に集中。ゲストのクリス ボッティとイル ボ-ロ個々のパフォ-マンスはカットされDVD化された。オ-ディエンスの中には老若男女問わず彼女の歌に涙する姿が多々撮らえられ感無量といった感じだが、バ-ブラ当人はケロっとしていつもと変わらない。オ-プニングはこの日の為3度書き換えられた
ロイド ウエ゙バ-のアズ ウィ- ネバ- 2部の初めもコ-ル ポ-タ-のユア- ザ トップのブルックリンバ-ジョンにして、見所 聴所 満載のライヴ。10代のイル ボ-ロとのスマイルはアレンジ歌唱共に秀逸。70才を過ぎてこんなパフォ-マンスが出来るバ-ブラは本当にスゴイ!
バーブラのベスト。あーやっぱり歌がうまいねえ。「追憶」や「スター誕生」はもちろん良いけれどバリー・ギブ作曲の「ギルティ」、凄みのある「ウーマン・イン・ラブ」は名曲。日本ではあまり評価されていないけれど是非若いポップスファンにはぜひ一聴。