十代の頃、フォーカス誌でこの本の宣伝をする著者、江木俊夫の写真を見たときは、「うわっ。北公次についで江木俊夫、おまえも暴露するのか」とひやひやしましたが、本屋にて立ち読みすると、「今では芸能事務所社長である僕、江木俊夫氏から見たジャニーズマーケティングの偉大さ」な内容に、今でこそ「ステマ」という言葉が頭をよぎるのですが、当時はそんな言葉がなかったので、江木氏の暴露本と見せかけたジャニーズマーケティング賛美に「こすっからいなー」という気持ちを抱いて本を閉じました。
そして、時は流れ、改めてこの本を手に取ると、当時から中立視点でジャニーズを語る小菅宏の構成力とジャニーズ分析、江木の時には歯の浮くようなジャニー喜多川とメリー藤島姉弟賛美の中に、子役時代から芸能界の水に浸かった江木の当時の矜持と、立ち位置の美学を重んじたジャニー喜多川のマーケティングに当時、芸能事務所社
長江木俊夫としては感嘆するものの、アイドル江木俊夫としては不満と不納得だらけだったことが文章の端からこぼれにおうのです。
目立ちたい、キラキラしていたいというのが、現在、同窓会コンサートにて総合司会を務めている江木氏の現在からわかるからこそ、フォーリーブス当時の道化としての立ち位置に戸惑いと鬱屈もあったのだろうなと本を読みながら思いました。
また、構成を担当した小菅氏の解説も賛美のオブラートの中に鋭い批評が顔をもたげているのが印象的です。特にコントに特化したブレイク直後のSMAPをドリフターズ化と分析したところは見事!と声を上げたくなります。
宣伝の仕方は紛らわしいものの、ジャニーズマーケティングをアイドル当事者とそのアイドルの番記者だったライターが記した資料としては星4つ。
レビューを読まれる方が知りたいのは作者は誰がお気に入りか。自分のお気に入りの子は出てくるかしら?
という事であろう。
出てきません。
この本は「ジャニー」本です。
9割方「ジャニーさんはこういう世界を作り出したいと望んでいる」ので「こういう人材を必要としている」「ついては条件に合う方は是非エントリーを」
という内容である。
タイトルと中身が合っていなくても面白ければいいやと思って読んだが、意外や意外きちんと
タイトルどおりの内容であった。
方法というのはちょっと違う気がするが。
この内容に沿う限り親に出来るのはせいぜいジャニーの地雷を踏まないように気をつけるべきポイントを押さえておくぐらいだろう。
ジャニーとはつくづく良く分らない男である。
知らなければただの変なおじさんだか、知れば知るほど多面的でとらえどころの無い人間である。
この本によるとジャニーとは「人を見抜く才が有り」「嘘が嫌いで」「理想の為に妥協をしない」人間である。
ジャニーズ帝国の宰相である。
常に自分が仕えるに値する君主の出現を渇望している。
真実は何処にぶつけても破綻を生まないものだ。
完璧な数式と同じである。
その観点で行くとこの本には恐らく嘘は書かれていないだろ事が推測できる。
それにしても著者は良くこの本を書けた。
ジャニーは近づけば近づくほど怖くなる男だろう。
身内でなければなおさらである。
それを安全な場所から読むことが出来るだけでこの本には十分価格以上の価値が有る。
ショービジネスの最高峰アメリカに影響を受け、
ジャニーズを男性版
宝塚歌劇団に!
その過程、
女性が格好良い男性を求めるという事実、
また、時代によって格好よさが変わるという不易流行の信念の元、
人のモチベーションを高め、個性を生かすシステムを作り上げた軌跡、
戦略を学ぶことができます。
ピンで売る理由、グループで売る理由など
価値創造のために大切なことを教えてくれる一冊です◎