録音:1972年10月(Disk1[全曲]、Disk2[1]〜[7])
録音:1973年11月(Disk2[8][9])
以上、ギャリック・オールソン
録音:1972年7月(Disk2[10]〜[15])
以上、ロナルド・スミス
70年の
ショパン国際ピアノコンクールで優勝した(2位は内田光子)オールソンがその2年後に録音したポロネーズ全集。長らく入手困難な盤であったが、この度HQCD化して格安な価格で再販されたことが非常にうれしい。
ショパンのワルツ全集では非常に繊細な
タッチを披露しているオールソンですが、ここでは非常に勇ましく力強い
タッチを存分に発揮してくれています。特に「第3番《軍隊》」は同曲のナンバーワンを争うほどの名演です。多少の強引さはあるものの、《軍隊》はこれくらいの荒々しさがある方がちょうどいい。また、「第6番《英雄》」はお手本とすべきスタンダードで質の高い演奏。一方で、「第7番《幻想》」はラストのコーダのアーティキュレーションがかなり個性的。そして、おとなしく演奏されることが多い「15番《別れ》」は、実に劇的なポロネーズに
仕上げており、この曲の評価を一変させるほどの強烈な説得力をもっています。これは是非聴くべし!
ポロネーズ全集自体少ないので、特に8番以降を聞きたい方は持っていて損はないディスクだと思います。