人間の1000倍のスピードで動くことの出来るスーパーロボット「
エイトマン」。アマルコ共和国の軍事兵器として開発された直後、開発者の谷博士とともに日本に逃れてきたこのロボットに悪漢「でんでん虫」のワナにはまり殉職した若き警視庁の刑事東八郎の記憶が移植された。
サチコさんとの淡い恋。自分がロボットであることを悩む
エイトマン。
ソマリア連邦のデイモン博士との死闘。谷博士の息子ケンとの決闘!
とても子供相手に制作されたとは思えないリ
アリティ溢れるストーリーとシャープな描線の絵が魅力です。
正に日本が世界に誇るSFアニメーションの傑作です。
昨今の懐かしアニメ番組で紹介されるのは、
宇宙戦艦ヤマトやハイジ以降の
タイトルばかりで、昭和30年代生まれの者にとってはちょっともの足りません。そのフラストレーションをはらしてくれた今回の企画には素直に拍手を贈りたいです。ただ、テレビ映像が音源のせいでしょうか、音が薄くて、やはりこれはCDではなく、オープニング映像付きのDVDで出していただきたかったと、繰り返し聴くたび思ってしまうのでした。
収録作品は下記の通り。
魔人コズマ 週刊少年マガジン 1964年(昭和39年)48号〜1965年(昭和40年)12号
魔人コズマ・オリジナル版最終回 週刊少年マガジン 1965年(昭和40年)13号
魔人コズマ・リライト版最終回 「8マン完全復刻版」リム出版 1990年(平成2年)発行
殺し屋イライジャ 週刊少年マガジン 1966年(昭和41年)2号
シャドウボクサー 週刊少年マガジン 1966年(昭和41年)6号
復讐鬼ゴースト 別冊少年マガジン 1966年(昭和41年)春号
完全版全5巻。
二種類の最終話を収録して、ほんとに完全版です。
欲を言えば、カラー扉はカラーで欲しかったけど、それは別の形で手に入ってるからいいか。
それよりも、全巻購入特典の「完全保存版8マン読本」がお値打ちです。
今はなき『奇想天外』1976年8月号に掲載されたウルフランドの平井和正による8マン解説と、小説版「魔人コズマ最終回」の再録。
ノンノベルの『狼の世界』に収録されていますが、それも今は手に入りません。
『奇想天外』に掲載されたものを縮小して載せてあるようで、文字が小さめですが、老眼でも問題なく読めます。
また、平井和正の他に桑田二郎(現在のものなのであえてこう書く)と、元TCJの鷺巣康正さんのインタビューが載っています。
最近ウェブ上で8マンはアニメ化を目指して
講談社が企画したというような記述を見かけることがありますが、
少年マガジンでこれまでにない新しいロボット漫画として企画され、連載開始早々にしてテレビ化の話が持ち上がったというのが正しい順番です。
最近の丸くなった平井さんは見逃してくれるかもしれませんが、昔の平井さんなら許してもらえませんよ。
その点に関する当事者の証言がきちんと載っているという点でも貴重です。
全巻そろえて、ぜひ全巻購入特典を手に入れてください。
本にハサミを入れなくてももらえます。
2014-01-04 追記
『狼の世界』はkindle版で読めるようになりました。
狼の世界(ウルフランド)