ラスヴェガスを舞台にした、ちょっと懐かしい
ハリウッド映画(1968年のスティーブ・マックイーン主演のサスペンス)の様なロマンスです。卒業旅行で訪れたラスヴェガスを思い出しました。
とにかくお洒落、スタイリッシュ。主題歌も素敵だし、画面分割はスピード感があり効果抜群。マックイーンの仕草の一つ一つが絵になっている。受話器を置く時くるりと回すのがかっこいい。フェイ・ダナウェイもそれに負けないくらいお洒落。二人がチェスをするシーンでは、心理的駆け引きが見事にカメラワークや編集で表現されている。ラストもすごく粋。まさに「華麗」。
ノーマン・ジュイソン監督作品である。ヒット・メーカーの彼が撮ればまちがいないとまで言われていたころの作品である。じつにスタイリッシュに美しく映像化されていてまずそのことに目を瞠る。あの当時いろいろいわれていたマルチ画面化の成果をもっともあげた作品ではなかろうか。またミシェル・ルグランのセンスの良い主題歌、軽快なバック音楽も秀逸である。デヴューして日の浅い、そしてやや癖のあるフェイ・ダナウェイを起用してじつに見事にはめ込んでいる。「君の名は?」と尋ねられて、彼女が「ビッキー、ビッキー・アンダーソン」と答えるところなどかっこよすぎて、こんな美人に迫られてみたいと思ったほどだが、フェイ・ダナウェイを美人にするには監督とカメラマンの仕事に負うところが大である。また、主演のスティーブ・マックィーン演じるトーマス・クラウンの涼しげなこと、もうこれは
ハリウッドの洗練の最たるものではないのだろうか。名作である。
マックイーン主演の作品の中でなかなかDVD化されなかったので、よっしゃあ!と言う気になったのは皆さん同じでしょう。ブロンソン…雨の訪問者、イーストウッド…白い肌の異常な夜。すべて発売が決まってめでたしめでたし。