18世紀の
ロンドンを舞台にしたミステリ。
これは、非常に面白い。
特に、18世紀の雰囲気が満載だ。
登場人物たちの言い回しがさすがに18世紀らしくないところは、まあご愛敬かな。
ミステリとしてのレベルは高い。
ストーリーも良い。
ただし、名前がカタカナなので、少々読むスピードが落ちるのが難点だろう。
本作は、できれば一気に読み終えたいミステリだ。
そして、解剖学黎明期の、医療と化学捜査におけるジレンマなど、本書の読みどころは多い。
登場する若者たちは生き生きとしているし、未来に対する希望や展望を持っている。
題材はけっこうグロいもいのがあるのだが、それを上質に
仕上げるという、まさに皆川ワールドである。
表紙がエグいが、中身はそんなことはない。
京極作品なんかより、ずっとすっきりしている。