昨年亡くなったアシュリーの母親、ロリー・ヘギさんによる随想録です。 プロジェリア(早期老化症)という難病を抱えながらも懸命に生きる姿は、多くの人々を勇気づけました。過酷な運命を背負いながらも、ひたすら前向きに「今」を輝かせていた。そんなアシュリー・ヘギちゃんが、去年の4月21日に亡くなったそうです。享年17歳でした。平均寿命が13歳のプロジェリア患者としては、最長寿命だったそうです。やはり彼女は人々を「ただいま現在」に引きつけるといった使命があったのだと思います。テレビで彼女を見るたびに「今を生きることの大切さ」を思い出しました。過去を悔やんだり、未来を恐れても仕方がない。私たちが生きられるのは、ただ〈今〉この一瞬一瞬でしかない。自らの境遇を嘆いたり、不平不満の数ばかり数えるのは、恩知らずもいいところ。生半可な生き方をしているのに、愚痴を言うことはできません。もちこし苦労やとりこし苦労はやめて、一日一日をしっかり生きる。その先にはより光輝く世界が待っている。他人と幸不幸の度合いを比べるのではなく、感謝の気持ちで「足る」を知り、それぞれの役割を果たしていくこと。周りの人間すべてを自分のように愛していく。そうすれば、あらゆる苦しみの根源であるエゴが薄れ、マイナス感情は吹っ飛んでしまう。落ち込んだりマイナス思考に陥った時は、アシュリーを思い出そうと思います。この本には、たくさんの教訓がちりばめられいていました。
「彼女は自分が死んだらどこへ行くのか明確に理解していた。だからこそ、アシュリーは自由に生きられた。私はそう思います。」
「自分自身の人生を疎かにしていては、本当の意味で人生をシェアして支え合って生きることはできないのかもしれません。」
「人は誰もが生きる意味をもっています。誰もがかけがえのない生を生きています。しかし与えられる時間には限りがあります。そこでどんな選択をするか。
「足りないことをあげつらって、くよくよと生きるか。幸せをかみしめてポジティブに生きるか。」
アシュリーが夜眠りにつく前のお祈り、まずおばあちゃんの膝があまり痛みませんように、二番目に弟が夜泣きをしないでママとパパがぐっすり眠れますように、最後に今年はもう風邪を引きませんように。TVで見たアシュリーに感動してすぐ本屋さんに走りました。いかにも14歳の少女らしい可愛らしいイラストに、なぜかほっとしました。アシュリーの声を思い出しながら、アシュリーになりきって、彼女の言葉を
英語で音読しています。いくつになっても「自分自分」から抜け出せないでいることを深く恥じながら。編集面で、日本語と同じくらい
英語部分も読みやすくしてくれたら、もっとよかったです。