タイトルの通りです。馬鹿ゲーで完成度もボリュームも今一つ、でも面白くてにくめない、ランナバウトシリーズらしい作品です。
でも、今作は悪い点が目立ちました。
悪い点
・ステージが6つしかない。1999年発売のランナバウト2には13ステージまでありました。
・マシンの数が15台しかない。最新作なのに全シリーズ中最低です。ランナバウト2は31台でした。
・ボリュームの水増しの仕方が悪い。同じステージを難易度を5段階に分けて使い回してボリュームを水増しするのはどうかと思いました。制限時間を短くしただけのまったく同じステージを何度もやらされるのはちょっと……。
・リプレイ機能の廃止。3DSだと厳しいのかもしれませんが、残念です。
・各難易度ごとのランキングの廃止。各難易度ごとに成績を記録して欲しいです。そうしないと一度クリアした高難度のステージをする意味がなくなってしまうので。
・各マシンごとの成績の廃止。優秀なマシンしか使わなくなってしまいます。頼りないネタのようなマシンでタイムを競うのもランナバウトの醍醐味なのに。
・値段。ステージが6個しかない、2〜3時間でエンディングまで行けてしまうゲームで6090円は高めです。
・はまると抜け出せなくてリスタートするしかなくなったり、見えない壁で大ざっぱにステージを仕切るなど、作りこみの甘さ(これは過去もありましたが、今回は特にひどいです)。
・BGM、効果音、障害物、マシンをランナバウト3とスーパーランナバウトから使い回したこと。予算がなかったのでしょうか?
良い点
・マシンの壊れ方や、車体への背景の移りこみなど、グラフィックや細かい表現が良くなっています。同じ時期の他のゲームよりグラフィックが汚いのは相変わらずですが。
・アイテムの概念の復活。ランナバウト2に比べ、実用的なアイテムが増えました。
・
上海万博会場や清水寺、都庁、コクーンタワー、小田急百貨店、九龍城、コロッセオなどパロディの質は過去作と比べてもたぶん最高です。文字通り「清水の舞台から飛び降りる」ところは笑えました。
・高速人力車、龍城のテレポートなどのネタ要素。前作より「馬鹿っぽさ」は強化されていて、そこは良かったです。
1〜3まではTVで放送されるときに何となく観ていただけでしたが、本作は気づいたら話に引き込まれていたほど楽しめました。
緩急のバランスがよく、シリアスの中にも若干ユーモアを含ませた作りになっており、最後まで飽きずに観ていられます。クレムリン潜入で、相棒がちょっとドジをやって警備員に気付かれそうになるシーンはくすっと笑えます。
見所はやはりドバイのビルをよじ登っていくシーンです。100階を超える超
高層ビルの外壁を吸盤のような手袋だけで登っていくので非常に危なっかしく、ハラハラさせられます。
ブルーレイ版は画質がかなり良く、オープニングの空撮りのシーンでは建物のディテールがはっきりわかるほど精細でした。