この作家の作品にはいつも読み手を包み込む様な温かさがあります。この本のなかの登場人物も、孤独を感じていたり、どうしようもない程の喪失感に苦しんでいたりします。 でも、エルフリーダという主人公の温かさ、逞しさ、そして優しさが一種の癒しをまわりの人々に与えるのです。 でも、それは決して押し付けがましいものではなくて、彼女にとってはとても自然な事なのです。自分の身の回りにも、こんな人がいたらいいのに。。。と思わずにはいられなくなります。
東大医学部卒、現在
テキサス大学癌センター勤務とのこと、どんなものかと迷ったが好奇心に負けた。割と当たりだった。短編集なので出来不出来はあるが、表題作がやはりよく書けていると思う。最近はやりの医学部やら医学界の内情告発的な臭いは全くなく、純粋に「物語」。かえって、どのあたりが本当でどのあたりが嘘なのか調べる楽しみができてしまった。