コルドバは真夏のアンダルシア、まさにフライパンのような気候、
白い壁に狭い路地、迷路に迷い込んだようです。
気温40℃を超すような暑さの中、随所に暑さをやわらげる工夫
がされているのが印象的、日影の路地を歩けば涼しそう。
日影でくつろぐ人たち、昼間っからビールを飲む男たち、
子どもの遊び場になっている広場の噴水、馬用の水飲み場、
とにかく暑さを体感してるような街歩きです。
街路樹になっているオレンジがいかにも南国らしい。
イスラム時代の名残を残す荘厳な大聖堂にも圧倒されます。
バレンシア、太陽の光にあふれた明るさが印象的。
明るいブラウンで統一された中世そのままの重厚な街並み、
世界遺産の荘厳な建物がそのへんに普通にあって、
ローマ時代の城門も残ってたりとにかく歴史が身近な街です。
地元の人が通う1杯1ユーロでおいしいコーヒーを出すカフェ
なんだか味があっていい安いし。パエリアの鍋、街路樹のオレンジなど
スペインらしさも発見できて結構楽しい、ちなみに街路樹のオレンジは
まずくて食べられないらしい、鑑賞用なんでしょうか、ちょっと面白い。
美術的な本としても読めました。写真集かと思うほど写真が豊富で、全頁カラー。写真自体も大きく綺麗です。イスラムのデザインに興味がある人は眺めているだけでも楽しいと思います。
“建築”に関して言えば、平面的な概略図もそれなりにありますが多くは実際の写真で、文章もそれほど専門的ではないと思います。
イスラムの変化に富んだ建築文化の流れを、写真を並べつつ説明する、という感じでしょうか。
難を言えば大判なのにハードカバーではないので、少し扱いかもしれません。
75年のフランコの死から81年のクーデター未遂余波までを背景とした連作活劇。
私が本作を含む『幻のマドリード通信』『
スペイン灼熱の午後』『カディスの赤い星』の
スペイン四部作に魅せられて彼の地を旅したのが88年の夏。
当時の私の頭の中には民主制移行に伴う混乱期の
スペインの様子が刷り込まれており、
やや腰の引けた旅立ちであったが、現実の
スペインとの時差は7年近くもあり、
幸い小説の様な場面には出会さなかった。
第1話にジプシー街からアルハンブラ宮殿を見る場面が出てくるが、
私も同じ場所から夕闇に浮かび上がる宮殿を眺めた。