この齢ですっかりアニメオタクになりました。
日本のアニメが大好きで、毎期、深夜アニメを見ています。
「
プラネテス」「
攻殻機動隊SAC」「
天元突破グレンラガン」「CLANNAD」
「魍魎の匣」「四畳半神話大系」「魔法少女まどか☆マギカ」「TIGER & BUNNY」
「ガールズ&パンツァー」「ジョジョの奇妙な冒険」「進撃の巨人」etc...
2000年を超えてからも数々の名作が生まれています。
技術は年々向上し、クオリティは天井知らずで高まっていきます。
十年前では考えられなかった作画で、圧倒的に高密度なシナリオが展開しています。
しかし、それでも。
この作品を超える『うつくしさ』を持つアニメは見たことがありません。
幼少期に見たこの作品が、私にとって最高峰のアニメ作品です。
作画、脚本、音楽、キャスト。
どれを取っても、まさしく劇場版クオリティ。
齢を重ねるごとに、この作品が持つ深みとクオリティの高さに唸らされます。
そして何がすごいかと言えば、
このクオリティが全78話(79話以降の冒険旅行を除く)の中で
1カットたりとも落ちなかったということ。
放送当時の、他のアニメ作品のクオリティを知っていれば、
この作品がどれほど異様なものであるかは容易にわかると思います。
オーパーツ的作品です。
一話一話で完結する、うつくしい脚本も見物ですが
背景の綺麗さ、キャラクターの安定感が群を抜いています。
背景とキャラクターの調和が本当に、本当にすばらしい。
言葉にできないほどうつくしい。
背景と音楽、アニメーションと声が混ざり合って
唯一無二の物語世界が広がっています。
これ以上ないほどの名作。
子供ができれば子供に。孫ができれば孫に。
世代を超えて見せたいアニメ作品です。
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そんなDVD BOXですが、故あって通常版と限定版の両方を購入しました。
通常版のほうは
コンパクトにまとまっており、意匠も良いです。
良くも悪くもシンプルなので、
収納も簡単で気軽に見ることができます。
限定版ももちろん素晴らしい。
LPサイズの大きなイラストが見れて、ディスクが収まっているところは壮観です。
しかしたしかに素晴らしいですが、やはりサイズが大きく、
収納に困ります。
気軽に取り出して視聴することは難しく、愛蔵版といった印象が強いです。
特典のポスターやマグカップが欲しい人は、限定版をオススメします。
どちらにも第ゼロ話となる『劇場版
ムーミン谷の
彗星』が収録されていませんが
ドリームポケットオンラインにて単品DVDが購入できます。
こちらにはキャストによる18年ぶりのコメンタリーが収録されており、聞き応えのあるものになっています。
子供向けではない、大人の鑑賞に充分耐え得るシリーズ作品。
世間体や容姿にこだわる人、他者を見下す人、常に何かに怯える人、マイペースに徹する人、
何かを集めずにはいられない人、他者の視点に立てない人、独善的な親切を押し付ける人…
ムーミン谷が、私たちの世界と同じである事に気付くはず。
主人公である
ムーミントロールは良くも悪くも「普通」の体現キャラクターで、読者に最も共感され易いと思う。
彼の意外に繊細な面が魅力的。「男の子は男らしく」という性差別が日本ほど酷くないのかな。
周囲は情緒的な
ムーミンを愛しているが、本人はハードボイルドなスナフキンに憧れている。
ムーミンパパがニョロニョロの放浪に憧れるように。定住を旨とする
ムーミンママとは対照的だ。
まぁ父も子も、帰る場所=ママがあるからこその放浪願望なのだが。
孤独を愛しても、完全なる孤独には耐えられない「社会的な動物」である面がよく出ている。
シリーズを通して読むと、あのスナフキンがあのミィの甥であったり(ミィの姉がスナフキンの母)と、
アニメでは知り得なかったエピソードが発見でき、なんとなくお得感。
作者の祖国の情勢不安を反映した「
彗星」などは、近付く崩壊への恐怖が現代に通じて読み応えがある。
最終巻が多少尻切れトンボだが、
ムーミン谷を出てしまった一家が、そのまま消息を絶つのも当然の話で。
どこか打ち捨てられた島の灯台に、彼らが住みついているような、ぼんやりとした余韻を楽しめる。
ムーミントロール : けっこう普通の子
スノーク : 理知的だけど人情の機微には疎そう
スナフキン : 男の子のあこがれ
スニフ : 男の子ってこんなもの
ムーミンパパ : おじさんのあこがれ
へムレンさん : おじさんってこんなもの
本を読むことが非日常への旅だとすると、これは旅をさせてくれる本です。
みんなにおすすめ。
まず、DVDの裏面に貼ってあった、シールの「あんまり誰かを崇拝することは、自分の自由を失うことだよ」というスナフキンの言葉にやられました。十分に年を重ねている私にとってつぼにはまりすぎる!悩みがあると誰かや何かにどうしてもたよりたくなりますものねー。でもそれは自由を失うことなんだと教えられました。人と人とのつながりや愛も大切だけど、スナフキンのように孤独を愛し、1人で考えたり行動することもほんとに大切なんです。DVDのお話1つひとつが宝物になっていっています。自分の気持ちを押しつけすぎない、互いに関わり過ぎない、他をそのままの姿で受け入れる、良すぎる人も悪すぎる人もいない、それがとても心地よいです。まさに主題歌にある「素直な気持ちだけがあればいい」の心境です。大人の方にお勧めします。