サッカーで地方のクラブを意味する「プロヴィンチア」。これまで甲府という地域とともに、クラブはどのように発展し、これからどのようなヴィジョンを持つのかを紐解いています。チームにおける選手獲得の戦略。イルファン獲得によるアジア戦略。強化や経営といった面でどのような青写真を描こうとしているのかを伝えています。
本書中の城福監督の言葉にはこうあります。「J3がスタートして。これから新しくJリーグに参加するクラブの9割以上は『プロヴィンチア』になるはずです。そうした『プロヴィンチア』を代表するくらいのつもり」。リーグは20年以上を経て、ようやく地域クラブの運営や経営にもロールモデルができはじめました。それでも地方のJクラブの基盤はもろく、まだまだ社会状況に影響されやすい。今後、Jクラブが地域とどのように関係性を構築し、発展していくのか、それに対するひとつの手本を描いた一冊ではないでしょうか。
列車通りも10
タイトル以上見ていますが、これが一番のお気に入りです。天候にも恵まれ、休日の午前中に特急に乗って山間部を抜けて甲府まで遊びに行く、見てるとそんな気持ちになり気分が良いです。特に高尾から大月までの山並がとても美しいです。
「高田馬場」…戦後の闇市での露天商の巧みな弁舌商法、現代の実演販売などを入れて笑わせながらも、素人芸を忌み嫌う志ん朝の心意気がうかがえる枕。がまの油売りの口上をつらつらつらっと演じてみせる場面では、語り口に思わずCDデッキの前で拍手をしてしまう見事さ。
野次馬根性丸出しの江戸っ子達のやりとりでは、そのちゃらんぽらんさに大爆笑。「おい、じょうだんじゃあねえよ~」と登場人物とともに叫んでしまうような、落ち。高田馬場、志ん朝最高!と唸る一席。
「甲府い」…人情噺得意の志ん朝真骨頂。他の噺家さんが演っているのを何度か見たが、どちらかというと、「良い人しか出てこない」退屈な演目だった。しかし、志ん朝が演じると、その「良い人たち」の、なんと可愛げのあることか。その可愛げが、この噺を素直に、昔話的に「めでたしめでたし、よかったな」と思わせるものに
仕上げている。
2つの噺あわせて、志ん朝の魅力を存分に味わえる1枚。