ノンビリ気分の商店街の皆さんも大型スーパー進出話に一致団結! 前作の『
高円寺純情商店街』に引き続き作者のねじめさんの人間描写の表現力に感心させられます。そこらじゅうにいるような本当に『普通』の人達の日常を面白く的確に文章で表現できるのねじめさんならではです。『そうそう、こういう場面あるある。』とか『わかる、わかるこの気持ち!』とか同感する場面が多数ありますよ。たくさん出てくるどの登場人物も憎めず愛らしく(?)個性的に感じます。それは作者の人間への暖かいまなざしがあるからでしょう。ストーリーとしては日常に体験しそうなちょっとした出来事の数々なんですが、これが面白い!
この作品を読むと単純に『人っていいなぁ。』と思います。それに絶対どこかの商店街にぶらっと行きたくなります。ほのぼの出来る作品です。
40代になり、大学時代に住んでいた「
高円寺」という文字に惹かれて購入し、読みました。
私が住んでいたときよりさらにまえの時代の話でした。私が言うのも何ですが、古き良き昭和のにおいや生活感が漂っている物語でした。大学時代に読んでいれば、もう少しゆっくり商店街を歩き、いろいろなものとの出会いがあったかもしれないと思うと、少し残念です。今度時間を見つけて、
高円寺北口商店街を歩きたいと思います。