映画館まで足を運んだのは、『PVを見て面白そうだったから』『特集番組が組まれる位の入れ込みようがあったから』『原作(南総里見八
犬伝の方)を何となしに齧っていたから』
それらの理由から映画館で鑑賞した結果としては・・・映像や雰囲気は綺麗で華やかだけど、ストーリーが解り辛いかな?・・・という感じ。
作品全体は、主人公の浜路と、伏の一人・信乃をメインで描いているので、軸がブレるという感じはしなかったものの、イマイチ作品の流れ自体が解りづらかったかなぁ・・・
私は、映画視聴1回、パンフレット購入なし、原作(伏の方)未読、という条件なので、もっと細やかに見れば様々な伏線や映像上の仕掛けが沢山あったのだと思うが、如何せん、普通の娯楽映画として『まぁ、普通に鑑賞すれば面白いよね』的な感覚だったのが悪かったのだろう。
最終的に
・何故、浜路と信乃の間に信頼(絆)の様なものがうまれたのか?(浜路はあくまで仇でしかないのに)
・志乃と、冒頭から因縁のあった、とある侍が、何故クライマックスであのような行動に出たのか?(あんな行動に出るほどショックを受けたのか?)
その他色々、設定の裏側が解らない部分が多少有り、ストーリーにどっぷり浸ることができた、という感じではなかった様に思える。
勿論、江戸の町を華やかに描いた映像や、人物の心象や雰囲気の表現方法は、非常に見ごたえがあった。
私が目を引かれたのは、島原で、浜路と信乃が話をするシーン。
島原の門内と門外が見えるように、セットをぶった切った様な横からのアングルでの撮影。
『門内にいる浜路の背景は煌びやかな島原の装飾、門外にいる信乃の背景は日の落ちた城下町の殺風景な風景。』
このシーンを見た時には、心の中で思わず『凄ぇ!』と思った。
当時の二人の心象や風景や、お互いに絶対相容れない壁のようなものを、一つの画面の中にギュッと凝縮していて、様々な考えが頭の中を駆け巡った。
作品全体の細やかなアニメーションと相成って、画面を見ていて飽きる事はまず無いだろうと思う。
ただ、それゆえに、もう少し単純な娯楽映画として、気軽に見てみたかったという感想を思ってしまう感も否めない。
上記の内容より総評として
・ストーリーは、見る気で見ないと、おいていかれる感がある。原作(伏)を知っているなら問題は無いと思うのだけれど、知らない人には、『もう少し尺が有ってもいいんじゃない?』と思う内容かと
・映像とアニメーションはすっごい綺麗。とくに人物よりも様々な背景に目を奪われた感はある。クオリティ自体はかなり高いと思うので、そういう作品が好きな人にはお勧め
・八
犬伝にも出てくる村雨(常に切っ先が水気を帯びているという妖(?)刀)なんかも、独特な手法で再現(踏襲)されていて、原作(八
犬伝)を知っている人が見れば、また違った魅力も有ると思う。
この様な感じ?
評価自体は、大衆的に考えるなら4位でも良いのだろうが、私の様に、納得できない人も居ないとも限らないし・・・
そう考えれば、万人には勧めることが出来ないとしての評価3です。
・ふたりで作詞・作曲しただけあって
歌詞もメロディーも可愛いくて、しかも力溢れる曲です。
・二人の声が、まったく違和感なく自然にとけあっています。
英語歌詞のラップ調の部分での掛け合いも、バッチリ。
・アレンジはCHARAのアレンジャーだった浅田祐介が担当。
◆他の いろいろな企画作品に比べて、これほど2人の力がマッチ
していて心地よい作品は少ないのではないでしょうか。