ネタバレしないように内容は詳しく書きませんが、この作品はサスペンスと位置づけられているものの、ヒューマンドラマの要素が強いように思います。
主人公である二人の女性は、熟年の女性作家(シャーロット・ラン
プリング「まぼろし」etc)と、
彼女の出版社社長の娘(リュディヴィーヌ・サニエ「8人の女たち」etc)。
この二人の心の動きが軸となっています。
個人的には、ストーリーよりもオゾン監督作品らしいカメラアングル・映像美を堪能して欲しいです。
日本では2004年に公開されている作品。
老齢期を迎えているイギリスの推理作家(シャーロット・ラン
プリング)はマンネリ化した人気シリーズや新人の台頭など現状に不満だらけ。
そんな時出版社の社長から
フランスにあるプール付別荘で気分を変えて新作を執筆したらと進められる。
おそらく愛人関係であろう社長が来るのを待ちわびながら静寂の別荘で執筆をはじめると、そこに社長の娘(リュディヴィーヌ・サニエ)だと名乗る自由奔放な女性がやってくる。
ここから二人の共同生活がはじまるのだが、若い娘は真っ裸でプールで泳ぐは、酒飲んで男を連れ込んでドンチャン騒ぎにSEX三昧。
推理作家の生活パターンは崩され喧嘩になるのだが、次第に若い娘の行動に興味を持ち始め、彼女との共同生活を素材とした小説を書き始める。
年老いて忘れていたSEXへの願望、若さへの憧れに嫉妬など、そして非社交的であった性格に少しずつ変化が訪れ外で食事し人とも会話するようになってくる。
そしてここから話は思わね方向に走り始めるだが・・・
ラストの展開により別荘での生活が現実なのか妄想なのか、それは観る側の想像に委ねる形で終わったのにはビックリした。
個人的には別荘での生活全てが彼女の想像であり、現実はラストだけというのが僕の解釈だがどうだろうか?
何れにしろ、この映画は良い意味での曖昧さを残す面白さもあるが、全体を通しての静寂の美しさが張り詰めた映像が秀逸だ。
そしてなんと言ってもシャーロット・ラン
プリングの知的で人を寄せ付けない孤高の魅力、この映画の時には既に56歳だと言うのに、その妖艶な美しさは健在だ。
また恐れ入るのは全裸まで披露していて、その裸体の美しさと役者魂には感服するしかない。