小学生の頃月曜ロードショーで初めて見た猿の惑星。何と言っても、最後の自由の女神は衝撃的だった。数十年後、アルティメット盤を購入し、昔の思い出に浸ろうとしたが、最後の台詞が違う。もっとインパクトのあるものだったはずだ。確かギザギザのものが出てききてそれを見たテイラー(ヘストン)が何か叫んでいる。が、意味がよくわからない。しかし次のシーンでギザギザの正体が分かり、すべての謎が解けるという流れであった気がする。普段は吹き替えはどうでもいいと思っているが、この映画のTBSバージョンはとても気になる。
この作品には
トロンボーンのすごいハーモニーが聴ける、と紹介があったのですが、私はそのような印象はあまりありませんでした。
このCDを購入する上で、
トロンボーンはそこまで売りにはならないと思います。
オーケストラとして聴いたときに「あ、
トロンボーンはここで頑張ってるな」と思ったぐらいです。
逆に言えば、オーケストラとしての実力がすごいということでしょう。
まぁ私みたいに
トロンボーン目当てでCDを購入する人は少ないでしょうが…
私は映画のサントラも好きなので、サントラとしてはいい作品だと思います。
ちなみに、この作品は少しだけしか観ていないのですが(笑)雰囲気はすごく良かったと思います。
私のような国語力の弱い人間が、少し古い海外の小説を読む際に一番ネックになるのが「読みにくい翻訳(昔はそれが正しいとされていたのでしょうが)」なのですが、この本は非常に読みやすかったです。
翻訳した小説を読むのが苦手なかたでも読めると思います。
さて中身にかんしてなのですが名作映画の原作ですので読み応えは十分です。
映画と違うところも多々ありますが、大筋は違いませんので映画を見た方が内容にすごく驚くシーンというのは少ないと思われます。
「ヒトとは何か?」というのをもう一度考え直すよい機会となると思いますので一読をお勧めします。
なお立花 隆氏の「サル学の現在」も併せて読まれるとより一層理解が深まると思います。
ただ唯一残念なのがこの作者(
フランス人)が第二次世界大戦中に日本軍捕虜になったことからこのアイデアが浮かんだというエピソードです。
ついつい小説の主人公=欧米人、サル達=アジア人なのかと考えてしまって悲しい気持ちになりました。
映画版があまりにもSF小説である。原作が
フランス人だとさえ知らなかった。しかし
ハリウッド映画とは異なる魅力がある。
ハリウッド映画では「冒険家と美女」的なステレオタイプな活劇風に味付けしてあり、特殊メイクと衝撃的なラストシーンが話題の中心である。しかし原作では一人称で語られる苦悩に満ちた内容である。SFの形を取ってはいるが「差別や偏見」そして「知性とは?」「人間とは?」という問いかけに終始満ちている。さらにひとひねりした終わりかたと言い、
ハリウッドからはかなり距離がある感じである。公開当時のことは知らないが、原作を読んでいた人はかなりがっかりしたのではないだろうか。
むしろ映画をご覧になった方に読んでいただきたい作品です。
初めて本作品をテレビで見たときの衝撃は今でも忘れられない。
あまりにも有名なラストについては今さら解説しない。
最も印象に残る場面は、テイラーが猿の裁判を受ける場面だ。
証人として呼ばれた、テイラーの仲間の人間が、強制脳手術を受け、
「何も考えられない人間」にされていたことにも肝を潰したが、
猿たちにとって都合が悪いことは、
「見ざる、聞かざる、言わざる」の、
「三猿」のジェスチャーをとったことが興味深い。
「三猿」の起源は諸説あるが、
最も著名なのは
日光東照宮の、左甚五郎が彫刻した「三猿」であろう。
時代が明治になると、世界中に左甚五郎作の「三猿」の概念が広まった。
インドのマハトマ・ガンディーは常に三匹の猿の像を身につけ、
「悪を見るな、悪を聞くな、悪を言うな」と教えたとされており、
インドの教科書などに「ガンディーの三猿」が掲載されている。
アメリカでも、教会の日曜学校などで、「三猿」を用い、
「猥褻なものを見たり、性的な噂を聴いたり、嘘や卑猥なことを言わない」
よう諭すことがある。
なので、この場面だけ切り取って、
猿=日本人であると断ずるのは早計であると思う。
むしろ、江戸時代において、国境を超えて「人間の本質」を描いた、
左甚五郎の慧眼に驚くのが、筋であると思う。
傑作映画です。