★『去年の夏』、『泳ぐひと』を発表、一躍【アメリカン・ニューシネマ】の代表的な監督となったフランク・ぺりーがアメリカ西部史上伝説の人物「ドク・ホリデイ」を主人公にし、初めてウェスタンを手掛けた作品。脚本は
ニューヨークの人気作家ピート・ハミル。ただし、成功作とは言い難く、イチャモンをつけたくなるような、失望に近い生半可な出来栄えである。フランク・ペリー監督は自分の作品の基本理念として〈私は自分で信じなければならない、でなければ誰も信じないだろう〉と、もったいなげに語っているが、その言葉すらも虚しく感じてしまう(泣)。砂漠の吹き荒れる夜、1人の男が宿にたどりついた。親友のワイアット・アープに呼ばれて、トムストーンへ向かうドク・ホリデイ(ステイシー・キーチ)だった。その夜カウボーイのアイク・クラント(マイク・ウィットニー)と、ショウフを賭けて博打をやり、相方のケティ・エルダー(フェイ・ダナウェイ)を奪い取ってしまう。 アープは町で司法執行官をしているが、ドクが呼んだのは、あらためて町の民選保安官選挙に出る野心を持っていたからだ。しかしドクは、そんな事には少しも関心を示さず、女と一緒に生活を始めたが、アープとクラントン一家の間は、日増しに険悪の度合いを増していった。そして遂に因縁の対決の時が来た。ドクは今さら人殺しの片棒をかつぐ気などこれっぽっちもないのだが、ワイアットのために銃をとる事になってしまう。これが世に名高い『OK
牧場の決闘』 が行われる。7対4の果たし合いは、わずか23秒で終わる。まさに真実の再現で、神話化されたモノに対する1つの挑戦だったかも知れない。というふうに、月並みの西部劇とはひと味違った魅力も多少感じられるが、妙に回りくどい、たどたどしい、がらっぱちな展開にはガッカリで、派手なガンファイトや、ひたすら娯楽に徹した勇ましいアクションの連続の勧善懲悪をテーマにした痛快無比な明るいウェスタンが大好きな筆者にとっては暗く深刻な気分にならざるを得ない。当時、劇場でも本編を観賞しましたが、今あらためてこれを観ると、つくづく西部劇は滅亡する運命にあったのかな…。という、悲観的な感傷にかられました。やはり、ニューシネマ時代に製作されたウェスタンの特徴でもある、アメリカ合衆国最大の汚点、
ベトナム戦争によってフロンティアの夢はこの時代を最後に完全に途絶えてしまった事が作風に悪影響を及ぼしたと考えるのが妥当。それはさておき、 こういうお葬式のような?スカッとしない八方塞がりな西部劇は大キライです★。
最初から最後まで緊張しっぱなしの映画です。ジャンボジェット機に音速機を下付けさせての乗り移りから最後の
タッチダウンにいたるまで、力が入りっぱなしでした。
カート・ラッセルがヤサ男的な役柄だったのも楽しめました。しかし
スティーブン・セガールがあっという間にいなくなったのは意外中の意外です。あまり知られていない映画ですが、楽しめること請け合い。