これぞ、かの"キャノンボール"収録の伝説の2ndアルバム。ピクシーズが本当に消滅してしまってからの新生ブリーダーズ。また、このアルバムから表記が ”THE BREEDERS”になっている。ちなみに、この時点でのバンドのラインナップは、キム・ディール(vo,gu)、ケリー・ディール(gu)、ジョゼフィーン・ウィグス(b/パーフェクト・ディザスター)、ジム・マクパーソン(dr)。一曲目の"ニューイヤー"から全体的にギターのディストーションが際立つ、ロケンロール全開の爽快なアルバム。もちろん、キャノンボールに尽きる部分は否めないが、”〜ゲットアロング”など単純明快でカッコいい曲は◎。他にも、爽やかで胸を打つ絶品のメロディを誇る”ディバイン・ハンマー”、ほのぼのした気分に浸れる”ドライビン・オン・9”(昼間にうとうとしながら電車で聴きたい)は名曲。ブリーダーズ史上最も美しく爽やかな作品。
ピクシーズがボサノヴァのレコーディングを終えて、解散の原因ともなったキムとブラックの不仲が生じたこの時期に、ブリーダーズは誕生した。何とも皮肉な事実だ。4ADの同胞、スローイング・ミューゼスのタニア・ドネリー(後にBelly、現在ソロ)、パーフェクト・ディザスターのジョゼフィンらと第一期”Breeders”を結成。ドラマーにはシャノン・ドウトン(元スリント、ブリット・ウォルフォード)が参加し、さらに”サーファーローザ”からの盟友スティーブ・アルビニ(元レイプマン他)をプロデューサーに迎えて本作はレコーディングされた。ピクシーズでも”ジガンティック”や”イントゥ・ザ・ホワイト”などの楽曲を手がけていたキムだが、やっぱりその才能はホンモノだったんだなぁって思い知らされる。やや、キム色よりタニア・ドネリー色が強い本作だが、M2等はピクシーズの流れを汲んでいて面白い。
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