非常に読み易く一気に読み終えた。
JFL本田でのプレーからわずか1年後にはW杯最終予選に参加し日本を
フランスへと導き帰化選手として初のW杯出場を果たした呂比須。
ブラジル人の少年のほとんどがそうであるように貧しい過程に生まれ路上で自作のボールを蹴っていたワグネル・アウグスト・ロペス少年。その後15歳にして名門サンパウロFCに入る。18歳で海外での経験を求め日本に渡り加茂監督の下日産でプレー、その後日立で得点王となる等5年間の活躍も無情なフロントにより解雇通告を受ける。その後JFL本田、平塚へと再び華麗な舞台に舞い戻る。
招集の連絡からわずか6日後の97年9月28日アジア最終予選韓国戦で代表初出場を果たし
招集後わずか2試合で加茂監督が更迭となるも、ウズベキスタン戦の代表初ゴールに続きUAE戦、韓国戦でもゴールを決める。直前の母親の死を胸に挑んだジョホールバルでのイラン戦。
来日後日本の食文化やホームシックで悩んでいた少年が96年には「マイアミの奇跡」に涙を流し、初の帰化選手という目線でW杯日本初出場を綴っている貴重な自叙伝となっている。
あとがきでは1年間ともに平塚でプレーした現U23代表反町監督がコメントを寄せている。