本格推理小説家、有栖川有栖と綾辻行人合作の本格推理ドラマ。実際に自分が推理して謎を解くことができるように、本編と解決編を分けて収録してあり、その上タイムテーブルや事件の証拠品などをまとめた項もあるという優れものDVD。 しかしこれまた内容が半端でなく面白い。推理の面でも彼らの小説を彷彿とさせる凄い本格ぶりで難しくワクワクするのだが、コメディ面も最強なのだ。解決編で起こる“奇跡”がそれで既に出落ちなのである。「これが、奇跡!」もうたまらなく笑いがでる。事件の結末を知りたいという欲求以外に、もう何度も解決編ばかり見てしまう程。 推理小説好きだけでなく、お笑い好きの方にも是非見ていただきたい一品かもしれない。
ミステリには、各々の作品にトリックがあり、その謎解きがあり、結末(終わり方)がある。 たまたまこの作品を読む前に読んだアガサ・クリスティ作品の美しい終わり方を読んだ後で私には幸いしました。 この作品にはこれでもかと伏線が散りばめられてます。 読者は、どの言葉、どの仕草で、犯人やトリックを見破るか。。 感受性と知識を動員して、鑑賞しましょう!
真実が発覚した時、思わず驚きの声を出してしまっていた。当時、あまりミステリを読みなれていなかったせいもあるが、しばらく呆然としてしまう程の衝撃があった。 今では読者を騙そうとする凝りに凝った小説は、たくさん存在している。だが発表からすでに何年も経過している「十角館の殺人」程に、単純かつ爽快などんでん返しを味わえるものは、希少なのではないか。 有名な名作に倣った孤島ものという設定が、読者に無意識の先入観を抱かせる何よりのポイントとなっている。ミステリを読みなれた人にとっては所々気になる箇所はあると思う。けれど多くの人が述べている通り、入門書としてこの本はまさに最適だ。こんな小説があるのかと、目を丸くすること必至だろう。 初見からしばらく経って再び読み返してみたが、このたった一言によってそれまでの思い込みが覆されるという叙述トリックは、今なお清々しいほどに輝きを放っている。 ラストも雰囲気を重視する綾辻氏らしい終わり方で、不思議な余韻が残る。一度は読んでおきたい傑作ミステリである。
今回は前田亜季の美しさと包帯男の謎、横溝正史のパロディーを楽しむべき作品です。なかでも最も怪しく美しいヒロインは注目の的です。劇団系の役者陣のコミカルな演技も必見。KONTAがすばらしいです。内容についてはよほど理詰めに推理しても犯人に行き当たることはまずありません。その点においては非常に深いミステリーでもあり、ズルイところでもあります。この間放送された最新作はミステリーとしてもドラマとしてもシリーズ最低のヒドイものでしたが、本作品は純粋にドラマとして最高に興味深い傑作です。
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