宝島DVD-BOX
幼い頃、大好きだったアニメです。このアニメによって、本来ハンサムではなかった海賊ジョン・シルバーが、魅力的な悪役として定着したと後で聞いた覚えがあります。のちに原作を読んで、あまりの違いに驚いた(がっかりした)ものでした。今、手持ちの新潮文庫を確認したところ、「顔はハムのように大きく、―醜男で青白いが、利口そうでにこにこしていた」とこんな具合ですから。シルバーがかっこよく、非道なのにどうしても嫌いになれない人物として描かれたことで、彼に裏切られたジム少年のせつなやさ葛藤が鮮明化し、わくわくする冒険物語に何ともいえない哀感が加わって、いつまでも印象に残る作品になったのだと思っています。今でもオープニングテーマを思い出すと心踊り、エンディングテーマを思い出すとせつない心持ちになります。この二曲が、アニメに描かれたふたつの面をよく伝えていると思います。名作中の名作の販売を心から喜びます!
白鯨伝説 DVD-BOX
『白鯨伝説』は、90年代後期、NHKの衛星アニメ劇場で放映されていました。放映当時、私は小学校の低学年くらいでしたが、このアニメの凄さはその頃の私でもはっきりと理解できました。
壮大なOP、繊細優美な作画、哀愁漂うED、洗練されたストーリー、登場人物による名言の数々。そのどれもが最高峰と言っても過言ではない名作でした。
成人し、懐かしさのあまりこの『白鯨伝説』を手に取り、再度鑑賞した時の感動はすさまじいものでした。17話くらいまでは。。。
制作会社が変更になったためでしょうか、はたまた予算の都合でしょうか。理由は何であれ、作画崩壊のシーンが続出し始めました。
また、最終話に近付くにつれ、明らかに、打ち切りを意識させるような展開やシーンが多くなり、最終話では、個人として全く評価できない代物となっていました。。。
生涯最高のアニメであると確信していた私の思いみたいなものは完全に裏切られてしまいました。
このレビューで制作会社への怒りや要望を書いても仕方ありませんが、個人としては、17話(くらい)以降の作品はリメイクをしていただきたいと思っております。
ただ、作品の前半は、前述したとおり全てが素晴らしいです。描写、演出、映像美、ストーリー性、主張性、キャラクターの個性などなど、鳥肌、感涙の連続です!!
『白鯨伝説』のようなアニメがこれから先作られて欲しいと切に願う次第です。それだけに、後半の劣化が惜しまれる作品でした。