玻璃の天 (文春文庫)
ベッキーさんシリーズ2作目。
全3部作で、もちろん順番通り読むのが望ましいのですが、この真ん中が一番出来が良い巻になっています。
右翼の物言いに、日教組が日本をダメにしたという話がありますが。
少なくとも戦争反対の面では、教師たちは左翼的なおもわくでもなく(当然だ、共産国家にだって軍隊はある)、資本主義批判でも、平等思想でもなく、ただただ子供を死なせたくないという思いで行動したのだと、その切々とした気持ちが伝わってくる内容です。
作者が元教師で、教師だったからこそ長年徹底的に考えてきた事が、ぎゅっと詰まった、重い、重い、一冊です。
北村薫の描く少女は、美しすぎて嘘っぽいと思う人も多いようですが。
若者の多くが、ある面不器用なまでに美しい思いを抱えているという事実を、彼は教師という職業を通して、また父親として知ったのではないでしょうか。
そして、それを守りたいと切実に思い、しかし守ることの困難さも実感したのだろうと思うのです。
全ての若い女性のそばに、(彼女を守り、彼女を導く、分別ある年上の女性)ベッキーさんを一人ずつ置いてあげたい。しかしまた、その素晴らしいベッキーさんも、一人の弱い女性であり、できるなら彼女の側に彼女を守る素晴らしい男性にいてもらいたい。
それが北村薫の偽らざる本心だろうと思うのです。
ATARU Blu-ray BOX ディレクターズカット
中居君が非常にアタリ役だった。特に彼の仕草や表情は、普段の彼の特徴が最大限に生かされていたのが印象的。
メッセージの込められたしゃぼん玉がふんわりはじけるイメージも非常に効果的。
そして、コメディやお笑いの要素が満載なのに、登場人物一人一人のキャラクター設定がわかりやすくしっかりしていたし、俳優陣も楽しんで演じていたのも見ていて安心する。
しかし、内容はアメリカの連続ドラマに見られるような深刻な社会問題を扱っていたり、現代人のなくしたやさしさや使命感が物語のキーになっていてよかった。
障害者をムリヤリ社会に順応させるのではなく、「社会や周囲の人々がその人の持つ障害に適応していくと、こんなにすばらしいことが起こる」というメッセージも込められていると感じた。
何より障害や障害者に関心を持つこと。障害への理解を進める手順を知るのに最適なドラマと言えるかもしれない。
鷺と雪 (文春文庫)
昭和11年の2月になんの事件がおきるのか・・・。
歴史に通暁している読者ならば、その年号ですぐぴんときてしまうのだろう。
だが、あまり詳しくはないわたしにとって、このラストは後ろから串刺しにされたも同然のショック。
それまでの「わたし」=主人公英子嬢が、貿易商で英国通の父上や気がよくてやさしいお兄さんに囲まれ大切に守られ、花のような青春の入り口で初々しく在ること、それにあのような形の結末を迎えさせるということ、日常の小さな謎解きではなく、歴史の大きな奔流に否応もなくまきこまれていってしまう、痛ましい少女期の終焉であるということが、胸にせまる。
三部作の最終話として、この結末で終わらせることで、小説の外に開かれたよりおおきな物語へとリンクしていくのが、なんともいえず感無量だった。
直木賞バンザイ!!
兵士の物語
この「兵士の物語」は、言葉は多少難しかったり遠まわしであったりするが、ここまで物語に一貫性のある「兵士の物語」も珍しい。思わずうなずいてしまう言葉の運び。能楽師である観世兄弟とストラヴィンスキーという組み合わせに最初は違和感を覚えたが、何度も聴いているうちに何ともいえない味わいが出てくる。非常にすぐれた日本語版として定着している.
コンプリイト
ゲーム通常版の、シナリオも期待大(特に亜美ちゃんファン)のレビューを書いたものです。 プリーズフリーズは、個人的にかなりの名曲だと感じました。今までは、オレンジが一番好きだったんですが、プリーズフリーズの方が上回ってしまったですね。 コンプリイトは、聴くだけでは、「…」な感じですが、ゲームの映像と合わせて聴くと、中々よく感じましたね。 ただ、プリーズフリーズの亜美ちゃんverがないのは、残念です。(他の奴は知らん)。ていうか、俺は、これのフルverしか、いらないのに〜。 でも、買ってしまうっていう…若気の至りって、やつかねぇ?