バビル2世 DVD-BOX
高校生の浩一は不思議な声と謎の黒豹に誘われて、バビルの塔へやったきた。そこで、高度な文明の異星人だった(という設定だったと思う)祖先のバビル1世の遺言を聞く。また、浩一より前に同様にバビルの塔へ誘われたヨミという男が接触してくる。彼は強力な超能力者として世界を支配しようとしていた。浩一はヨミの誘いを断り、彼の世界支配の野望に立ち向かっていく。というのがおおまかなあらすじです。
しかしまあ、詰襟の学生服姿で戦う主人公というのも珍しい。
3つのしもべは、ヨミの命令に従ってしまうのでいまいち頼りないところもありますが、唯一話のできる相手は変身能力のあるロデムです。戦いで孤独感のます浩一を慰めるために、幼馴染の少女に変身したこともあります。
一番の見所は直接対決です。ありとあらゆる超能力を使っての戦いです。ヨミは人生経験が豊富なので、つまり、卑怯または狡猾と思われる戦法を使ってくるので、ついつい浩一を応援してしまいます。でも、「エネルギー電撃」というのは、超能力なのでしょうか?最後はこれで決着がつくようですけど。
バビル2世ザ・リターナー 5 (ヤングチャンピオンコミックス)
原作「バビル2世」のキャラや世界観を保ったまま、大胆な改変に上手くリアリティを加味したリメイクの仕方は出色の出来。
ただ、この五巻まで読んでも、いまいち盛り上がって行かないのは何故なのだろう?
宇宙人の未知のテクノロジーを取り入れた米軍とバビル2世との戦いは大規模なものだし、そこに宿敵ヨミの思惑も入り込み、本来は回を増すごとに盛り上がって行く所のはずなのに、ストーリー進行の遅さのせいなのか、それとも演出の問題なのか、一度読んだらもう充分で、何度も繰り返し読む気が起こらない。
話の規模が大きい割りに、微妙に「戦いの動機」が不明瞭なままで、人類そっちのけで戦いが進む。敵にも味方にもメイン登場人物が少なく、伊賀野や三つのしもべも「仲間」という位置付けとは違うため、「GANTZ」のような「命を掛ける仲間との連帯感」が無いのも盛り上がるドラマ性に欠ける原因かと。
バビル2世本人も「喜怒哀楽」の感情変化がまったくと言っていいほど無く、ほとんどすべての事を無表情のまま自分ひとりで引き受けてしまう、そのバビル2世の超然とした有り様のせいで、「孤独に戦う戦士の悲壮感」よりも、「何でも一人で出来ちゃうんだな」という印象の方が強く、共感や感情移入の妨げになっている。
また、戦闘シーンにおける「超能力の演出」が単純なので、現代のバトル漫画に見られるような知的な戦闘や多彩な能力のアイデアにも欠けている。終盤のバビル2世とヨミの対決も、「ジョジョの奇妙な冒険」や「HUNTERxHUNTER」といった「能力バトル漫画」に慣れてしまっているためか、ふたりの戦闘シーンに色々な「超能力の性質」を考慮した能力バトルの要素や、状況を見越した上での「心理的な駆け引き」などがほとんど無い事に物足りなさを感じる。もっと未知の科学技術と超能力の融合など、色々と派手な演出が出来そうだったのに残念。この部分こそ原作を踏襲しないで、もっと良い意味で現代風にアレンジして欲しかった。
バビル2世ザ・リターナー 1 (ヤングチャンピオンコミックス)
30年以上の時を経て蘇る[バビル2世]の敵は[アメリカ合衆国]…。
[バビル2世]、[その名は101]に続く新たな戦いに挑むバビル2世。
懐かしさとワクワクと不安と…。
ポセイドンとロプロスの姿を見た時はぶっ飛びました。
あのシンプルなデザインが、意表をつきすぎです。
正直、世界征服を企む秘密結社や超能力者が[007]でも見られなくなった現代、バビル2世の姿もやや時代遅れの感が否めません。
また、米軍との戦闘で人を殺し、一般市民を巻き込む事を躊躇わない姿はかつての活躍を知る人間からは違和感を強く感じます。
時代が変わったのでしょうか。
世界はひとりの超人の活躍で救われ、善と悪のはっきりとした線引きができるほど単純では無いと気付いてしまったから。
[バビル2世]、[アメリカ]、どちらにも明確な勝利・決着は訪れないだろうし、爽快な活躍は見られないだろうな、と感じてしまいました。
それでもかつて熱中し、強く印象づけられたヒーローの帰還は嬉しいものですし、[殺人ビールス]でバビル2世と協力した伊賀野が官房長官として再登場し、連載では[ヨミ]が登場、と今後の展開が楽しみです。
願わくば感想が裏切られ、再びワクワクし、熱中させてくれますように。
バビル2世 (1) (秋田文庫)
私が横山光輝作品を読むのはこのバビル2世が初めてです。第一巻を読み終えた後、激しい後悔をしました。
というのも「何故こんなにすごいマンガを今まで読まずにいたのだろうか」という思いが湧いてきたからです。
どこがすごいのかと言うと、読み出すと止まりまらないんです。話にたるみが無く、どんどん展開していきます。
さらに注意深く一コマずつ見ていくと、普段なら見落としていますような細かい演出に驚きが隠せません。
一例をあげれば、ある一コマでは「今夜九時」とあります。そのあとで時間がしばらく経ちます。そして時計が登場します。
針は「午前三時」を指しています。登場人物の性格、セリフや仕草だけでなく、緻密な構成が魅力です。
バビル2世
26話までのダイジェスト版、それもファンの気持ちを最優先に考えての作品。テレビシリーズはスポンサーの横槍でおかしな小道具が出てきてかえって評判を落としたから。
願わくばこの作品を映像化してほしい。ヒロインは従妹という設定にクレームがきたのかもしれないが、実例はいくらでもあるし、法的にも問題は無い。(当時の子供の何人かは大人に「いとこ同士は結婚できるよね?」と質問したはず。)
キー局のテレビ朝日(当時はNET)は確かに融通のきかない組織だが、今なら全世代に抵抗無く受け入れられるだろう。