Organ Works
ヘルムート・ヴァルヒャによるバッハ・オルガン全集。ステレオによる二度目の録音。
バッハ・オルガン全集の決定盤といわれています。
こちら の輸入盤で、国内盤よりお得です。
国内盤の方に詳しいレビューがあるので、感想はそちらにお譲りします。
12枚組で、コープマンの16枚組、アランの15枚と比べると収録曲は少ないです。
キルンベルガー・コラール、1980年代に発見されたノイマイスター・コラールなど、コラール集としてまとまっていない曲群や、ヴィヴァルディなどの協奏曲のバッハ自身によるオルガン編曲版などは収録していません。
しかし主要な作品は収録しているので、全集と呼んでよいと思います。「フーガの技法」も、未完の最終曲の、ヴァルヒャ自身による編曲を含め収録。
1950-70年代前半までの録音で、特にコラールより自由曲(フーガなど)の方が録音が悪いですが、演奏は素晴らしいです。
歴史的名盤なのにもかかわらず、非常に検索しにくいので、国内盤からリンクを張っておきました。
バッハ:2声のインヴェンションBWV.772~786、3声のシンフォニアBWV.787~801
ヴァルヒャほどバッハの意図する音楽を忠実に再現すべく努力した演奏家は稀だ。その飾り気のないシンプルな解釈で各声部の進行と曲の構造を極めて明瞭に感知させ、それを阻害するような一切の恣意的な要素を避けた掛け値なしの真摯な表現が最大の特徴だろう。
バッハはこの二つの小曲集で初心者が対位法のそれぞれの声部を明確に弾き分ける為の指の独立性の修練と、ひいては作曲の為のヒントとして主題とその展開への模範例を示し、2声と3声の様々な調性で学べるように工夫した。しかしヴァルヒャの演奏は決してそうした教育的な側面を強調したものではなく、ひとつひとつの曲に精彩に富んだ音楽的な生気を吹き込み、控えめではあるがストップを使って気の利いた個性を与えている。それはバッハの考えていた、優れた教材は同時に優れた芸術作品でなければならないという哲学を具現しているからだ。
ヴァルヒャは58年から62年にかけてバッハのチェンバロ・ソロの為に書かれた作品を集中的に録音した。ちなみにこのインヴェンションとシンフォニアは61年、彼が54歳の時のもので、当時使用された楽器は総てユルゲン・アンマー社のモダン・チェンバロだ。古楽研究の黎明期でもあり、古楽器を修復して実際の演奏に使うことがまだ一般的ではなかった時代には、やむを得なかったことが想像されるが、それでも柔らかで潤沢な響きを持ち、表現力に富んだこの楽器を選んだことは彼の秀でた感性を証明している。
尚このCDは新たに24bitリマスターされたものでヴァルヒャのシリーズでは『ゴールトベルク変奏曲』に続く2枚目で、全くノイズのない澄んだ音色が堪能できる。
バッハ:オルガン名曲集
あまりに病的、深淵に臨むような旋律だこと
性を抑制することは宇宙の軸から外れるってことさ
それを抽象的な悲壮バラードって呼ぶ奴がいるけどさ
それじゃあまりに呪術的じゃない
健康な深淵に挑む奴ほど狂気染みてるとか言う奴がいるけど
それじゃバッハの感性はBGMに過ぎないことになるだろ?
いっそ争いの土壇場に紛れて焼失して欲しい
過去そのものだな。