Geogaddi (WARPCD101)
聴くものの記憶中枢にものすごく訴えかける音。
コンピュータまるでつかってないんじゃないかと思わせるアナログな質感の音。個人的には由緒正しいペットサウンズ→ラブレスの後継者。
新しさと懐かしさを同時に感じさせます。
もしテクノがジャズみたいに本来性を失っていないのであれば、
間違いなくテクノの真ん中を孤立無援に突き進む名盤。
The Campfire Headphase (WARPCD123)
なんというか、この人達の音楽は、文章化するのが難しい。
歴史的な話をすると、Aphex twinがDrukqsで取り入れて、square pusherなどが発展させてきた、エレクトリニカにオーガニックな音を入れていくという手法がある。
その手法を彼らなりのサウンドに合わせる事ができた、一つの極点になるだろう。
なんか、今までのボーズの音って、どこか子供のころに聞いた懐かしさとか、切なさとか、日常からはみ出た音が淡々と鳴っているっていう感じがあった。
で、もちろんその音はこのアルバムでも鳴っている。このアルバムはもう少しエモーショナルな感じがする。1曲のなかで、だんだんと盛り上がってきて、気がつくとまた静寂に戻るという繰り返しを10数回繰り返す。あくまで、そこまで激しい盛り上がりはなく、実に微少な変化を繰り返しながら、盛り上がっていく。その感じがここちいいのです。
Music Has The Right To Children [解説付き・国内盤]
スコットランドを拠点とする、WARPの重鎮Boards Of Canadaの1st Album。
しかし、この1stを発表する以前から、プライベート・レーベルで細々と音楽活動を続けていて、
現在の構成でなければ、なんと80年代から活動しているベテランです。
このAlbumはWARP以前のリリース作品からも数曲が収められており、1stであると同時に、
集大成的な作品になっていると思います。
音の方は、正に現在のエレクトロニカのスタンダードと呼んでも良いような、
儚く美しいメロディとHIP HOPの影響を感じさせるブレイク・ビーツ、(割とビートは重い方だと思います)
不思議なサウンドスケープと、細かなノイズやクリック音を多用したスタイルです。
それと心なし、拠点であるスコットランドという土地を連想させる、
ケルティックな雰囲気がメロディの中に感じられる気がします。
Autechreほど前衛的では無いですし、
Aphex Twinのように多種多様なスタイルを使い分けるわけではありませんが、
非常に完成された、多くの人が聴きやすい作品だと思います。