葉桜が来た夏〈3〉白夜のオーバード (電撃文庫)
今回は葉桜が母の面影と名前を持つ少女に封印されていた過去を揺り動かされて
いつもの状態では無く、仮面を外した状態で騒ぎが起こるので学と立ち位置が正反対で物語が展開されます。
後半、葉桜を思う白夜の行動が事件を引き起こすのですが、学と白夜の遣り取りを読み返すと切なくなります。
今回は前二作と違って、暗躍する勢力の動きが少ないように見えましたがとんでもない間違いだった。
最後の最後に今まで蠢いていた闇が表舞台に現れました。
こんな所で終わられると次の巻が気になります。早く出してくれorz
葉桜が来た夏〈4〉ノクターン (電撃文庫)
3巻の設定をそのまま引き継いでいるので当たり前といえば当たり前だが、葉桜は評議員候補から外されています。
初めはその設定が少し気に食わなかったです。設定自体はかなりしっかりしていていいと思います。
しかし、そんな細かい事はこの物語の大事なところではありません。
読み進めるに連れて葉桜と学の信頼関係が上手に書かれています。個人的には「その人間関係が羨ましい」と感じました。
また5巻に続くようにエピローグ的なものがあります。それを読むと「もう5巻買うしかない」ってことになります。
そんな訳で、5巻(最終巻)に向けて書かれているので先がきになるつくりになっています。
1、2、3巻を読んだ人は間違いなく読むべきですね。
ドイツ子供の歌
今回日本のラジオでこのCDの中のいくつかの曲が紹介されていたことにより知りました。東ドイツで70年代に録音されたものであるためか、7年間ドイツに住んでいましたが、CDの存在は知りませんでした。ドイツにいてもわからない名品が日本で紹介されていることは往々にしてあります。透き通るような可愛らしい歌声がとても素敵です。歌声もさることながら、気品あるバイオリン伴奏も素敵ですし、どの曲もドイツ語の詩歌として美しいと思います。ドイツで聞いた二曲目の「僕のアヒルたちが(Alle meine Entchen)」を12月に生まれてくる子供に歌ってあげたいと思い購入しました。誰かが口ずさんでいるのを聞いたことしかなかったので、全曲通して聴くのはこれが初めてでした。いばら姫やヘンゼルとグレーテルもこのような旋律とともに彩られるとまた一層素敵でしょうね。日本で知られている曲も多く収録されており、どれも名訳を超えた素晴らしい日本語歌詞が付されているとは思いますが、ドイツ語の原語も素晴らしいので、是非味わってもらいたいです。また、収録されている四十三曲の一曲一曲に、日本語訳のみならず、その曲の由来が書いてあるCDというのは、初めてみました。製作者の熱意を感じました。これを読んだら普通のドイツ人よりはドイツの童謡に詳しくなれると思います。素朴で自然を愛するこれらの童謡に、青年期を迎えロマンティックな要素が加わるドイツリートの根源があるように思います。生活の中に音楽が融合したドイツの生活環境は、こんなところからスタートしているのかなと思いました。
葉桜が来た夏〈5〉オラトリオ (電撃文庫)
万全の準備を整え着々と侵攻に備え挑発行動を加速する水車小屋、暴発寸前のアポストリと深慮過ぎて何もできない味方勢力。異なるベクトルの味方たちに同じ方向を向かせ、行動を起こさせるために率先して動きだす学と、それについて行く葉桜。
新しい関係を築き始めた世代の行動力は、旧世代の謀略を打ち砕くことができるのか。
20年という歳月は誰の下にも等しく流れていたのだな、と実感する。一方が戦訓を基に対策を進めるのならば、当然もう一方も同じことをしているわけで…自分たちだけが賢いと思っているようじゃ、情報組織として失格というわけですな。
今回、外国勢力の影がちらりと見えたり見えなかったりしたけれど、今後もその辺のかじ取りは難しそう。シギとハマグリが争っているうちに漁師が不意に現れるなんてことが、これからなければ良いのですけどね。