『皇帝』はグルダ盤しか聴いた事がないのだが
仲道さんの演奏はさすが日本を代表するピアニスト
だなと思わされました。第一楽章から通して聴いて、
涙しそうになりました。映像として非常に優雅です。
テクニックはグルダには叶わないかもしれないけど、
演奏としては充分満足しています。仲道郁代ファンになりました。
ただ折角2枚組なのに同じテイクが収録されているというのは
いかがでしょうか。いくらカットやサラウンドが違うとはいえ
もうちょっと工夫してほしかったです。1枚だけにして価格を
下げるか、収録曲を増やして欲しいですよね。ディスク2の方が
仲道さんのカット割が多くてメイキングも収録されているので
ディスク1は1度しか見てない状態。値段はちょっと高いが
第3番もなかなか見事な演奏なので星5つにしておきます。
CDでわかる ピアノの名器と名曲
「ピアノの名器と名曲」というタイトルですが、名器についての記述は全体の3章立てのうちのさらにその半分程度です。更にピアノの構造や歴史などの基礎知識で全体の半分、残り半分が名曲及び名ピアニストの紹介といった構成です。
名曲解説の中にも、キーワードとして様々な用語や歴史、奏法、エピソードの解説がコラムとして挿入されています。文章も分かりやすくコンパクトにまとめられていて、マニアックなネタがある訳ではありませんが、漠然と「ピアノ」について興味を持ったとき、歴史から作曲家(曲)、演奏家と縦断的に知識を得るのに最適な本になっています。
CDでわかる ベートーヴェン鍵盤の宇宙
「当時のピアノの復元楽器を使って、楽譜の指示通りにこの楽章を弾いてみると、和音の濁りが微妙に変化し、不思議な音響効果が生まれました。ベートーヴェンのペダルに関する奇妙な指示を難聴のせいにする人もいますが、逆に耳が聞こえにくいからこそ、楽器の響きや倍音に敏感だったのかもしれないと思います。後期になればなるほど、精密になっていくペダル指示は、響きへのあくなき探求を物語っています」。
ベートーヴェンがのこした32のピアノソナタのうち8曲と「エリーゼのために」を取り上げ、それぞれの曲が作られた背景と共に、鮮やかにポイントを色分けした譜面の分析とCD演奏を照らし合わせながら作品の解説を行っている本。複数の執筆者で分担して書かれている。オールカラー。写真やイラストが多く含まれている。
スコアの解説はかなりわかりやすい。一方、CDは美人ピアニスト仲道郁代の全集からのもの。演奏は見事なのだが、残念ながら全て楽章ごとの抜き出しであるため楽曲解説の範囲が部分的にしかカバーされていない。結局他の奏者の全曲集を代わりに使った。
「ベートーヴェンは私にとって、音楽という広い宇宙の核」と言う仲道郁代が、当時のピアノのレプリカを使った演奏体験やピアニストの視点からのコメントを述べている部分も有意義だった。冒頭の引用はその一部。ベートーヴェンが作曲で使用したピアノは主に以下の4種類と考えられ写真付きで紹介されている。時代とともに広がったオクターブやダンパー・ペダルなどの構造の違いがこの作曲家の仕事に与えた影響についても言及されている。
・シュタイン、ヴァルター(5オクターブ)
・エラール(5オクターブ半)
・ブロードウッド(6オクターブ)
・シュトライヒャー、グラフ(6オクターブ半)
後半ではこの巨匠の人生を紹介している。この部分は比較的月並みな内容ではあるけれど、いろいろな人物の肖像画写真や当時の資料がたくさん載っている点が良かった。
花~Scenery with Floews~ V-music03 [DVD]
レビューは書けませんが、感想を書きます。
最近のテレビはミサイル、殺人、誘拐などクリニックの待合室には不適当な話題が多く放送されていると私は感じ、2週間前からこのDVDをリピートモードで使用し、待合室のプラズマテレビで患者様にご覧いただいています。はじめは、一度見たからいいとおっしゃる方も1,2名いらっしゃいました。最近はそのようなご意見は聞かれず、私が待合室を観察するとこのDVDの映像を食い入るように見ている人、感動のため息をつく人、笑顔になる人等々が散見されます。私はひまわり、チューリップなど息をのむすばらしい映像と音楽に感動しています。時にはこの撮影地はどこだろうなどと患者様との会話も弾みます。自動でリピートしてくれると設定が楽なので助かります。その点を考慮し1点減点の星4つとしました。
celeste 仲道郁代愛奏曲集
ちょうど、雨だれの練習中の私にとっては、とても学びやすい演奏で良かったです。
巨匠といわれる人たちに比べると、物足りなさを感じると思いますが、同じような曲を練習中の人にとってはとても身近に感じます。