奇跡の学力 土堂小メソッド
小学生の子どもをもつ親です。テレビをみて、買ったのですが、とても参考になりました。
辞書をひかせる習慣、熟語を文章のなかで覚えていくこと、中学への準備にむけたノートのとりかた等ひとつひとつが具体的で、さっそく家庭学習のなかでとりいれています。
私がなによりも信頼をしたのは、この本を書かれた先生たちの「柔軟さ」「心の広さ」でした。
下のレビューで、「この程度の中学入試の問題など誰にもできる」「百ますは苦痛でしかない」といった教師の書き込みがありますが、この本ではけっして他人を批判したり、ひとつのやりかたをあがはめたてまつり、それ以外の考え方を異端として攻撃するようなことはしていません。
自分と違う考えでも優れていると思えば子どものためにどんどんとりいれるという姿勢であふれているように感じ、そのことが先生たちへの信頼感につながっているようにおもいました。
掲載されている中学入試の問題はやはり難しいとおもいます。文部科学省の学力テストの結果をみても(たとえば、簡単な分数の計算の通過率が3割をきっている)、クラスの半分がこの問題をとけたとしたら、たいへんなことだとおもいました。
陰山英男の「校長日記」 土堂小学校校長一年目の全記録
今や教師として、日本一の知名度を持つ陰山氏が、どういう心境で文部科学省のモデル校の校長を勤め、改革し、成果を導いたのか、とてもよくまとめられていると思います。
昨今、教育問題について、制度面のことばかりが議論されてますが、本質はそうじゃないんですね。大切なのは、現場を、そして子どもを見る視点。メディア等の議論に流されていた自分が恥ずかしいです。
また、巻末付録も圧巻。校務以外にも、あれだけ精力的に活躍できる人も他にはいないのではないでしょうか。
二年目以降の土堂小学校にも期待しています。