夫以外の選択肢 [DVD]
この作品の解釈は視る人達によってそれぞれなのでしょうが。 まず演技をしている役者たちのうまさには感心します。特にピーター・クラウスが演じているハンクという人物は大変に難しい役回りだと思いもす。
この映画は日本に配給されたのでしょうか。
二組の、しかも親友同士の不倫が、この映画の表面に流れるストーリーなのでしょうが、映画の底流というか根底はひじょうに深い、人間のある種の本質を描いているのだともいえます。
親友であるハンクとジャックの友情は、いったい何なのでしょうか。
この二組の夫婦は、ジャックはハンクの妻と不倫関係にありますけど、そしてハンクもジャックの妻と肉体関係を作ってしまいますけどこの作品を視ていて感じる、いいえ確信していることは、二組の夫婦がもし離婚になったとしても、ハンクとジャックの友情には何等の変化も起きないということです。
名作という他に、この映画には他の表現は必要ないと思います。
ピーター・クラウス、この役者はなんですが。リチャード・バートンやローレンス・オリビエ、そしてマルチェロ・マストロヤンニ等がグレートアクターというならば、ピーター・クラウズはミラクルアクターとしか言いようがありません。
見事な傑作作品だと私は思います。
ぜひ一度視ていただきたい名作です。
夫以外の選択肢 スペシャル・エディション [DVD]
邦題にある言葉。「選択肢」?そんな話では全く無い。まさに原題「We don’t live here anymore.」の内容。
親しく付き合っている2組の夫婦。どちらの夫婦にも子供がいて、特に生活にも困ってもおらず、一見幸せそう。「なぜか」その幸せな生活に満たされないエディス(ナオミ・ワッツ)が、密かにジャック(マーク・ラファロ)と関係を持ってしまう。互いに危険を楽しむ域から、本当の愛へシフトしていく様子は、「極普通の倫理観」を持つ人間と思っているつもりの私には共感できかねた。
百歩譲って単調な日々に「危険」を求める気持ちを理解できたとしても、家庭崩壊に至るまでのめりこむ彼らを私は理解出来なかった。
特典で「登場人物を理解できるか」と4人に尋ねていたが4人とも実に歯切れの悪い答えだった。監督は「いい事も悪いことも、全ては愛による・・・ダンテ」を引用。質問を上手くかわしていた感があった。何が言いたかったかったのだろうか。後味の悪い作品だった。