暗い日曜日 ― オリジナル・サウンドトラック
「暗い日曜日」も素敵ですが、このCDでは、私は「アンドラージュの
ピアノ」が一番好きです。(英語では「アンドラージュのテーマ」
ドイツ語では「アンドラージュは弾く」となっているようですね)
ストーリーでは、ヒロインの女性の誕生日にアンドラージュがプレゼント
したこの曲が、完成して「暗い日曜日」になったことになっていますが、
それはちょっと無理があるな~、と思います。全くの別物ですからね。
それはさておき、この「アンドラージュのピアノ」、映画のあちこちで
その編曲が使われていて、さまざまな見事な効果をあげていました。
このサウンドトラックで「アンドラージュのピアノ」に再会できて、
本当に幸せです。
ただ、せっかく主演女優が歌う「暗い日曜日」のドイツ語バージョンが
収録されているのに、ブックレットには邦訳はおろか、歌詞さえ載って
いないのは、どういうことでしょう? その辺を確認したい方もいるのでは
と思います。(星を5つにしないのは、そのためです。)ヘザー・ノヴァが
英語で歌うものとは、内容もいくぶん違っているのですから。
3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)
本巻は、宗谷名人とまさに命を削る闘いを繰り広げた島田八段のサイド・エピソードから始まります。地元の人々とのある「約束」
を果たせない無念さを噛み締めながらも、彼らの温かい言葉を胸に再びゼロからのスタートを切ろうとする島田八段の姿が強く印
象に残ります。地元の人達と活き活きと将棋を指すシーン等、前巻に続き島田八段の人間的な温かさが伝わってきて益々ファン
になりました。
今回は隈倉九段というまた魅力的な人物が登場。主人公の桐山・二階堂・島田八段を始め、再びゼロからの再出発をかけようと
する人達の描写の合間に隈倉九段と宗谷名人とのまさに「殴り合い」の様相を呈した名人防衛戦の様子が挟まれる描かれ方とな
っています。今回はこの隈倉氏を始め、後藤九段の意外な一面が窺えたのが印象的。ある人物が名人防衛戦の様子を「混沌」と
表現していますが、それは本巻に出てくる各人物そのものにも共通するテーマです。絶対的な悪者は存在しないと共に、生身の人
間である限り達観しきった完璧な人間も存在しないことを教えてくれます。それは後藤九段、隈倉九段の本巻での描写にメッセージ
として表れているような気がしました。そして完璧でないからこそ愛情やいと惜しみの感情が生まれてくるのだと(香子の様に)。
桐山はゼロからの再出発に戸惑いながらも、元担任である林田先生の力を借りながら、長い間彼の意識の中に閉じ込めて来た、
他者との触れあいへの憧れの扉を開こうとする過程が描かれています。他者との触れあいの中でふと感じる喜びを桐山が自覚す
る場面は大変心に残ります。
そして終盤のハイライト、今まで癒しの空間として描かれてきたあかり三姉妹の家に、ある波乱が訪れます。それは是非本巻を読ん
で頂きたい。それにしても、ひなはなんて勇気ある優しい女の子なのだろう。そして自分がどんなにつらい立場に追い込まれても「後
悔なんてしない!」と涙でぐしゃぐしゃになりながら自らの意思を貫く強さを持っている。桐山が長い間求めている「ライオンの心」を彼
女は持ち合わせているのだ、と感じました。
それぞれ逆境の中で闘おうとする登場人物達、自らの生き方と照らし合わせ前に進む力をくれる素晴らしい内容です。
(相変わらず食べ物の描写が秀逸ですね。特に三日月堂の「ふくふくダルマ」、実物を食べてみたくなりました。)
ラ・ルーナ
私はサラのアルバムの中ではこのアルバムが一番お気に入りです。
昔から民族音楽やゴスペル調、教会音楽といったジャンルのものがすきだったので、一度聴いてみてるとすぐわかるのですが、ジプシーやロマ族の音楽に近い作り方をしているこのアルバムは、何度きいても飽きることがありません。
それにサラの音楽は一般的にはヒーリングミュージックにカテゴリー化されているんですが、むしろ私はこのアルバムはそうでないパッショナブルな舞曲としてとらえています。
安らぐよりも、ドキドキしてくるんですよねー。
だから、車の運転中の音楽になっています。
とくに、「月の息子」は一番、大好き。
東ヨーロッパのほの暗さをかもし出すかのような、軽やかでかつ重量を感じさせる月をテーマにしたロンド。
すべてがサラにしかできえなかったともいえるアルバムです。
アルバム「ハレム」も好きなんですが、私はこのアルバムのほうがオススメです。
ダミア
”暗い日曜日”は世界恐慌時代に自殺者を多数出して
発禁になったという話があります。
全体的に暗い曲が多いですが力強く励まされる曲も
ありますので憂鬱にはならないでしょう。
シャンソンに興味のある方は入門として是非聞いて欲しいアルバムで、
とても気に入ると思います。
ここから入るのが1番ですね!!
暗い日曜日~トリビュート~“Gloomy Sunday”
1.大西ユカリと新世界 2.Rom-chiaki 9.夏木マリ 10.ダミア
が良かったです。
星を3つにしたのは、それぞれのアレンジにマッチした訳詩が
なされてなかったためです。
アレンジ法もベタ過ぎる部分があったかも。