キネマ旬報 2010年 12/1号 [雑誌]
日本の代表的な映画雑誌「キネマ旬報」ではシリーズ企画として「黒澤明から受け継ぐ」を連載してきた。
今号では現在衣装担当ととして活躍している、黒澤明の長女・黒澤和子さんが父・黒澤明から、何を学び、何を受け継いだかを語っておられる。娘から観た黒澤明監督の公私にわたるエピソードが多く紹介されており、たいへん興味深かった。
ちなみに、このシリーズは1月上旬号の野上照代さんの巻をもって終了した。
その他のシリーズ掲載号は以下の通り
第1回 小泉尭史 09年10月下旬号
第2回 大林宣彦 09年11月下旬号
第3回 木村大作 09年12月下旬号
第4回 佐藤順弥 10年1月下旬号
第5回 出目昌伸[前編] 10年4月下旬号
出目昌伸[後編] 10年5月上旬号
それから [DVD]
ただ藤谷美和子見たさに、これを買いました。
藤谷美和子に限らず、映像が綺麗です。
音楽も良かったです。
しかし、なんと言っても一良かったのは夏目漱石の原作ではないでしょうか。
これまでの中で一番ロマンッチクな日本文学、日本映画です。
武士の家計簿(初回限定生産2枚組) [DVD]
民間の会社組織にしろ、公的な官公庁にしろ、それぞれに担当するものがあり細分化されている。
中でも専門職に就く者はプロフェッショナルであり、部外者には容易に理解できるものではない。
特に組織の要となるのは経理部門であろう。
その企業が繁栄するのも没落するのも、この部署へいかに逸材を配置するかで大きく左右する。
『武士の家計簿』は、加賀藩に代々仕える御算用者(経理係)を務めて来た藩士の物語だが、なんとも崇高で汚れのない精神性を見たような気がした。
帳簿とにらめっこし、そろばんをパチパチとはじく姿は決して華やかなものではない。
むしろ武士道からは対極したところにあるようにも思える。
だがこれこそが、日本人気質の基でもある質素倹約の姿勢を、改めて認識させてくれる作品だった。