死ぬことと見つけたり〈上〉 (新潮文庫)
未完とわかっていながら、下巻が非常に楽しみである。
読み出して数十ページで今の自分が恥ずかしくなり、あとは夢中になって読み、考えた。
今を生きる者への挑戦状なのか。
自分なりの答えを探してみようと思う。
影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫)
とにかく先が読みたくて仕事も手につかないほど面白い。
きまった史実の中で、チーム二郎三郎はどう泳いでいくのか。
そして、大阪の陣へどうなだれ込んでゆくのか。
非常に楽しみである。
この人の作品には、人間 隆慶一郎の世界観が随所に現されており、
あー、こういう人だったんだなぁと思うと、
短い作家生活が惜しまれる。
影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)
これこそ歴史の真実では、と思えるくらい、すばらしいストーリー展開。キャラクターも秀逸で、私の中の秀忠像と三成像が変わってしまいました。
群馬県の太田市には、東照宮のあるところに世良田、徳川という地名があります。興味のある方、行ってみては?
一夢庵風流記 (集英社文庫)
私が「前田慶次郎」に興味を持ったのは、ついつい最近のこと。
Blogのお友達に勧められたのがきっかけです。
戦国末期の時代をしたたかに、そして自由に生き抜いた一匹狼。
恐ろしいほどのいたずら好きで身を滅ぼしかねない。
前田慶次郎は、この世の中を吹き過ぎる一陣の涼風のように行動する。
とくに朝鮮行きの話、
俺は朝鮮を知りたいわけじゃない。地図が描きたいとも思わない。
ただただうろうろ歩いて、風土を見、人に会えばいい。朝鮮の人間が何を着、何を喰い、
どんな酒を呑み、どんな夢を見るか。そいつが判ればそれでいい。
出来れば心の許せる友の一人も見つかればこれに過ぎたるものはない。
この場面に慶次郎の人柄・考え方が凝縮されているように思える。
そして、直江兼続との友情により負けると分かっている戦いに参戦する。
直江兼続ほどの人物が友と認めた人物であれば、相当の人物であろうと推測するのは難しくない。
そして全部を通して感じたこと。
それは解説の秋山氏も書いているが、この小説は「友情物語」であるということ。
愛馬:「松風」との出会いから、自分を狙ってくる刺客と、あるいは直江兼続や結城秀康との友情。
慶次郎に言わせれば、友情とは心の交流であり、敵味方に分かれて戦っても、友は友である。
潔い男だと相手を認めること、それが友情だという。
だから裏切られるかもしれないが、それなら裏切られたっていいという覚悟の中にいること。
そこに慶次郎のような潔い男の生の態度が生じるのかもしれない。
歴史上、決して傑出した英雄ではないが、一人の人間として、男として、非常に魅力のある人物である。
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)
堂々の全3巻、
傑作。
満天の星が飛ぶ。
小説を読むことがカイカンだとストレートに教えてくれる。
独善的なブックレポーターの出番なし。
あとは、新作が読めないことを嘆くだけ。
隆慶一郎がいなくなり、
今は、時代小説の棚を素通りする。
かといって、
コミックスコーナーへ急ぐのもどうかと思うけど。