時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)
はっきりいってキューブリックが最終章をカットしたのは映像化するのにはインパクトが、イマイチだからだと思いますが、この作品にとって必要不可欠なまとめの章だと思います。
時計じかけのオレンジ【字幕版】 [VHS]
原作者が提起した問題はモラルの有効性についてなのだが、映画化されたものは一種のピカレスクロマンになっているのが悔やまれる。問題提起はなされているのだが、映像が余りにもショッキングなので観衆はそれ以上を要求しないのだ。
A Clockwork Orange: Wendy Carlos's Complete Original Score
映画サントラ盤がありますがこちらのオリジナルのほうが彼女(彼)の才能が溢れ出てると思います。
時計じかけのオレンジ [VHS]
原作者が提起した問題はモラルの有効性についてなのだが、映画化されたものは一種のピカレスクロマンになっているのが悔やまれる。それが作り手の怠慢なのか観客の低脳なのかは何度も見ないとわからない。現実には映像が余りにもショッキングなので観衆はそれ以上を要求しないのだ。
時計じかけのオレンジ [DVD]
個人の自由と全体主義による秩序維持との二律背反がテーマの一つと言っていいのだろうが、個人の自由の範囲が拡大し、全体の秩序よりも優先されるようになった現代の視点で見てみると、国家権力による管理も、昔ほど単純には反対できないような気がしてくる。そして、さらに考えなければならないのは、自由と管理の単純な対立ではないということ。ほとんどの人間は、管理者と被管理者に単純に二分されるわけではなく、ある場面では管理者であっても、ある場合では被管理者にもなる。管理者の立場にいるときは全体主義を掲げ、非管理者の立場にいるときは自由主義を叫ぶ。自分の置かれている状況を顧みたとき、そこまで考えさせられた。
改めて言うまでもないことかもしれないが、音楽ベートーヴェンの第九を始めとする音楽、Nadsat による特徴的な台詞など、ここまで実験的な作品が40年前に製作され、受け入れられていたことは驚きでもある。