ruin―緑の日々 (リンクスロマンス)
(カレスがまたつらい目にあったらどうしよう)と一ヶ月近く恐くて手に取れなかったのですが、ようやく読みました。
もうひたすら切なくてつらくて悲しくていとおしくて、ハッピーエンドのカタルシスをイヤと言うほど味わえました。
前作「ruin〜傷」とあわせてぜひおススメしたい作品です。
うまく嵌れれば、ものすごい幸福感を味わえると思います。
前半はカレスの幼児退行ぶりの痛々しさと無垢な愛らしさに、ガーディ目線で癒されつつ見守り・・・
後半、カレスの自我が戻ってからは、双方に肩入れしてしまって、心理描写には交互に涙する始末。
こんなに泣かされたのは久しぶりです。
二人の傷が痛い。
こんなに愛しているのに、抱きしめさせてくれるのに、寝言でほかの男への告白を聞かされるガーディ、切なすぎる。
(愛していると、好きだと一言でいいから言ってくれ)と願い続けているのに、それを限界まで耐えるガーディ、すごすぎる。
カレスが自分を愛していなくても、自分はカレスを愛すると誓っていて、その地獄に甘んじてのた打ち回るガーディがもう、見ていられないくらいかわいそうで涙が止まらなかったです。
そして、カレス。
「お前が一番好きだ、大切だ」と言われていた人間を失って、愛を信じることを恐れてしまう彼に共感しまくりでした。
ガーディを好きであると告げることは、自分の心変わりを認めること→やがて来るガーディの心変わりをも認めること。
どれほど強く愛されても求められても、常に失ったときのことを考えてしまうカレスが、どうやったらガーディを信じる勇気を出せるのか、何がきっかけになるのか、ドキドキしながらページをめくりました。
ああ、もう本当に、この二人、大好きです。
二人がめぐり合えてよかった。
蛇足ですが、ガーディの親友役の方のビジュアルがとっても好みだったので、当て馬かと期待したら全然違いました〜
あれは期待しちゃうって!笑)
らいおんみどりの日ようび (福音館創作童話シリーズ)
『かえるのエルタ』に出てきたらいおんみどりが活躍するファンタジー。
らいおんみどりというのは、全身みどりのライオンで、キャベツとトランプ遊びが大好き。
なにかと「食べちゃうゾ」と脅かす癖があるけど、かなりいい奴。
ライオンなのに、なんだか、ほのぼのとしていて、
同じ作者の本に登場したときから、一目でファンになってしまいました。
この本では、そんならいおんみどりが、大好きなトランプを使って、大活躍。
この著者の本の割には、あんまり知られていないのがもったいない。
『エルタ』にワクワクした子には、大推薦です!
若き緑の日々
S&Gの音楽は、私を中学生の頃に戻してくれる永遠のサウンドである。本作はベスト・アルバムだが泣けるものが多い。
「Sound of Silence」は私を洋楽の道へと導いた記念の曲。都会人の心を抉る深遠な歌詞と曲想がマッチし、心に響く。「Homeward Bound」は心の故郷イギリスへの郷愁を歌った唄。「I am a Rock」は珍しくロック調だが、内容は孤独感を強調したもの。「America」は当時のベトナム厭戦ムードを巧みに表現した曲で、"自分探し"をしなければならなかった当時の若者の心情を良く捉えている。「The Boxer」は貧民街で産まれた若者の孤独と闘いを描いた詩情溢れる名曲。「El condor pasa」はアンデスのサウンドを採り入れた異色曲で、当時日本でも大ヒットした。「A Hazy Shade of Winter」は日本のTVドラマの主題歌に使われた事で急に有名になった曲だが、やはり孤独感を基調にした歌詞を疾走感溢れる曲調で包んだ曲。そして、何と言ってもハイライトは「Bridge Over Troubled Water」だろう。現代において、他人を思い遣る心遣い、人と人との絆の大切さを、スケールの大きなサウンドで包んで、二十世紀を代表する愛と友情の名曲となった。例の9.21テロの際、ニューヨークの市民は本歌を心の支えとしたと言う。
私の中学卒業時の記念の寄せ書きの中央には大きく「明日に架ける」の文字が。その時の同窓会は、35年経った今でも続いているのである。
緑の日本語学教本
著者は現代日本語学を代表する研究者の一人である。しかし地位や名声には恬淡としているので、学界ではそれほど目立っていないかもしれない。いかにも「学究」という、いまでは珍しい昔気質の研究者である。といってもその知識は古典の日本語のみならず、最新の言語学をもカバーしており、その鋭い洞察力や研究にかける情熱は日本語学界では有名である。
研究では妥協を許さず、人にも自分にも厳しい。したがってこの本の内容の信頼度は非常に高い。ただその信頼性の高さを感じさせないとっつきやすさがある。パッと見、脱力するようなレイアウトだが、これは著者が多くの入門者が手に取りやすいようにとの配慮で、中身は本格的である。
従来の教科書にありがちな詳細な説明を脱し、最低限必要な項目だけを厳選した教科書。
経験の浅い教師でも教えられるように要を得た教師用指導書もある。著者は大学教員にもかかわらず、初めての講義には教案を作って臨むほどの几帳面さでも知られている。
言葉にできない〜小田和正コレクション
曲目リストをちらりと見ただけで名曲揃いなことはわかります。
甘かった。
聴いたら想像をはるかに上回ります。
キラキラのほっこり感直後、言葉にできないのイントロでがつんと心臓を揺さ振られます。
私は仕事で卒園式にも使いました。
プレゼントにも素敵だと思います。