女と男のいる舗道
デビュー40周年を迎えたあがた森魚が、その記念すべき年に選んだものは、映画だった。自身、監督やプロデュース、そして、演者としても、大きく関わってきた映画。その映画主題歌のカヴァー集が、40年目のアルバムとなった。
彼がデビューする前に観ていた映画、つまり、彼のその後の人生に影響を与えた主題歌を集めた訳だ。1曲を除き、全ての曲は、あがたの書き下ろした詩だ。言葉にこだわる彼だからこそ書ける詩、それが、それぞれの曲に、さらなる輝きを与えている。
60年代の映画が大半を占めているが、古臭さは感じない。それは、ムーンライダーズの白井良明によるところが大きいだろう。生のリズム隊で録られたオケは、力強いが、耳には優しい暖か味がある。その上、良明らしい大胆なアレンジが施されている。
あがたのデビュー・ヒットになった「赤色エレジー」は、良い意味でも、悪い意味でも、彼を世の中に知らしめるものになった。しかし、彼を語るには、「赤色エレジー」だけでは無理なのだ。その時々で大きく変わるサウンドは、日々進化を遂げている。ニューウェイヴやタンゴというジャンルに踏み込んでいたりもする。
そういった音楽活動部分は、彼が音楽を目指すきっかけになった「ボブ・ディラン」に近いと思える。
そう、彼は、フォーク歌手ではなく、ロック・シンガーなのだ。ロック・シンガーが、自作詩で、カヴァーした映画音楽集というのが、このアルバムを簡潔に語る言葉なのかもしれない。
清志郎がいない今、これだけ言葉を操れるシンガーは、あがた森魚しかいない。
シンガーソングライターである、あがたが、その一つの武器(作曲)を封印して挑んだ本作は、彼の代表作の一つとして語られるだろう。凝りに凝ったアートワーク以上に、中身は、素晴らしい仕上がりになっている。
あがた森魚読本 (CDジャーナルムック)
あがたさんが歩んできた40年を色々な角度から押さえた読み応えたっぷりの本です。
あがたサウンドを支えてきた、矢野誠、久保田麻琴といった方々のインタビューを始め、書き下ろされたアルバム解説や、今までのインタビューなど、どこを読んでも、あがたワールドへの入口となっていると思えます。
あがた森魚ファンは、もちろん楽しめますが、よく知らない人にとっては、素晴らしい入門書になるのではないでしょうか?あがた森魚を過小評価されている方は、だまされたと思って読んでみてください。とくに、鈴木慶一さんの寄稿は、必見です。
あがた森魚 ややデラックス [DVD]
あがた森魚といえば、今からン十年前にM大学学祭「ロック叛乱祭」に一人(ギター一本)で登場し、「ボク、ここの大学を中退しました」と歌う前に気弱そうに言った青年と同一人物なのですよね。この人が現在でも活躍しているわけです。なんて「強い人」なのでしょう。
この映画は、彼と同行したような気分にさせてくれる一種のロードムビーでもあります。客が多かったり少なかったり、いさかいやアクシデントがあったりツアーには大変なことがいっぱいありますが、彼に言わせれば「あっという間」の全国縦断ツアーなのですね。とてもフォーキーな映画です。
演奏曲数が多いからどうしても中途でカットしなければならないですがうまく処理していると思いました。訪問する各地方の風景も美しいです。
あがた森魚とZIPANG BOYZ號の一夜 惑星漂流60周in東京 [DVD]
時代を適格にとらえた音楽活動。
もちろん3時間では表現できないが、その集大成として重要な映像。
ジャンルなんて関係ない、すべての音楽を愛する者なら体験すべき作品。
これこそ、レジェンド!
あがた森魚 BOX
ファーストアルバム、セカンドアルバムは買ったので、3枚目を聞くために購入しました。びんぼうという曲がのりが良くて面白かった。宝くじが当たったのにびんぼうなのはなぜ?他のアーティストの曲も気持ちが良かった。眠くなりました。このレコードの感想を自分のブログに載せました。