入門メルツァーの精神分析論考―フロイト・クライン・ビオンからの系譜
本文は the Florentine Association for Psychoanalytic Psychotherapy 主催のセミナーで著者が行ったメルツアー講義に基づいています。
大部分はメルツアー著「精神分析過程」の概観と議論に充てられていますが、やや簡潔すぎるので、本編との併読が必要かと思います。
素人の私にはちょっと荷が重いです。
自閉症にさかれた1章は同じくメルツアー著「自閉症の探求」の解題ですが、当該書はベッテルハイムらの時代(未だ統合失調症との関係に混乱があった DSM-3当時)に書かれたもので、現在の精神分析からの自閉症アプローチの基礎になるものではありますが、理論としては古典に属するものです(自我心理学と対象関係論をいっしょに論ずることはできないのでしょうが)。
とにかくクライン派の自閉症理解を知るためにはタスティン、アルヴァレズを読み(これらも少し古いですが)、平井正三さん木部則雄さんあたりの新しい本を読むべきと思われます。
松木邦裕さんも主張していますが、精神分析家たちは概して現在の自閉症診断は乱発され過ぎと考えており、精神分析からの自閉症理解は今の流れに当てはめれば狭義の自閉症理解です。
ところで、私にとって本書の一番の魅力は訳者の一人である山上千鶴子さんのまとまった文章が読めることです。
山上さんはまだ日本人がほとんど行っていなかった1970年代にイギリスのタビストッククリニックへ正式に trainee として入り、訓練を受け、資格を取って帰国された方です。
その後80年に東京で個人開業し現在に至っていますが、訳書は数あるものの専門誌にまれに文章を発表するだけで著書を書かれないため、そのお姿に触れる機会がありませんでした。
本書の末尾にある短いエッセーで彼女の人となりが少しだけわかった気がします。
山上千鶴子さんに興味のある方はぜひお読みになって下さい。
ピアノ曲集/ピアノ弾き語り 坂本真綾 かぜよみ+ (ピアノ曲集 ピアノ弾き語り)
かぜよみ収録曲ももちろんいいのですが、シングルB面の曲までオマケで収録されており、プラリネ(1+1)などピアノ名曲がバッチリです!真綾さんファンならぜひ手にしてほしい!
希望のスイッチは、くすっ
「エチカの鏡」で紹介され本当にあった話と知ってびっくり。
カラーイラストも多く、150ページ足らずの薄い本で、すぐに読み終えるけども、
何度も途中繰り返し読み返して、心の中が「ON」。
みんなが、同じことは出来ないけれど、少しでも「くすっ」が
多くなれば良いですよね!!